2009 Fiscal Year Annual Research Report
提携形ゲーム理論を用いた都市内における物流共同化の実現可能性と環境改善効果の分析
Project/Area Number |
19360230
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
小谷 通泰 Kobe University, 海事科学研究科, 教授 (00115817)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 忠史 京都大学, 工学研究科, 准教授 (80268317)
谷本 圭志 鳥取大学, 工学研究科, 准教授 (20304199)
石黒 一彦 神戸大学, 海事科学研究科, 准教授 (60282034)
秋田 直也 神戸大学, 海事科学研究科, 助教 (80304137)
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Keywords | 都市内物流 / 物流共同化 / 共同輸配送 / 提携形グーム理論 / 環境改善効果 |
Research Abstract |
本研究は、都市内における貨物輸送の共同化に着目し、物流拠点を軸とした最適な共同輸送計画の作成手法を提案し、政策実験によりその環境改善、費用削減への効果を分析するととともに、複数の物流事業者をプレイヤーとした提携形ゲーム理論を適用し、共同化による事業者への費用配分問題の観点からその実現可能性を明らかにしようとするものである。本年度は、以下の項目について成果を得た。(1)構築した共同輸送計画の作成手法を用いて、政策実験を実施した。本手法の特徴は、物流拠点費用の有する規模の経済性と輸送ネットワークの階層性を考慮できることにある。ここでは近畿圏を対象に、農水産品,雑工業品,軽工業品をそれぞれ個別に輸送する場合と共同輸送した場合とともに、物流拠点の立地規制と誘導の2通りの政策を実施した場合についてシミュレーションを行い、物流コスト削減、交通渋滞の緩和による環境改善の観点からそれらの政策を評価した。(2)共同輸送を行った場合の費用配分問題を、すべての事業者が共同化に参加する経済的な動機を持つ場合(コアが非空)と、持たない場合(コアが空)に分けて検討した。まず、コアが非空の場合に、事業者間で技術力の格差が存在することを想定して、シャプレイ値による利得配分の方法の有効性を分析した。このために3人ゲームで、事業者間での技術格差の組み合せを全ケース列挙し、シャプレイ値がコアに含まれないケースを抽出するとともに、コアに含まれるための改善方法を提案した。一方、コアが空である場合に、提携形ゲーム理論の最小コアの考え方を用いて、すべての事業者による共同化の実現に必要な補助金の算出方法を示した。この際、共同化への参加による環境負荷軽減への貢献度を考慮するために、各事業者ヘウェイトを与えた。そして、ある条件下ではウェイトに依存せず補助金の総額は一定となること、また同条件を満たさない場合は、事業者間での部分的な共同化を阻止するための追加費用を含んだ補助金が必要となること、事業者にウェイトを与えることにより拠出される補助金の総額が抑制できることを示した。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article]2009
Author(s)
山中英生・小谷通泰・新田保次
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Journal Title
<改訂版>まちづくりのための交通戦略 2.9貨物車交通へのアプローチ(学芸出版社)
Pages: 191(87-95)
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