2009 Fiscal Year Annual Research Report
有機フッ素化合物による地下水汚染の機構解明と対策技術の確立
Project/Area Number |
19360237
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
滝沢 智 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 教授 (10206914)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小熊 久美子 東京大学, 大学院・工学系研究科, 講師 (00361527)
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Keywords | 有機フッ素化合物 / 地下水 / PFOS / PFAs / 地理情報システム / 東京 / 微量汚染物質 |
Research Abstract |
PFOSやPFOAを始めとする有機フッ素化合物(PFCs)は水溶性の微量汚染物質であり,人への毒性や生態系への影響が懸念されている。今年度は東京都区部の不圧地下水・被圧地下水・湧水を広く採水し。PFCs汚染の実態を明らかにするとともに,水溶性で下水に由来する医薬品crotamitonと比較して検出されやすさを考察した。 調査地点としては、東京都23区中19区で公共井(防災井戸など)及び私有井(浴場用井戸など)の計53地点(不圧地下水32地点,被圧地下水18地点,湧水3地点)にて地下水を採水した。これらの地下水サンプルに対して、有機フッ素化合物(PFCs)17種類の分析を行った。 地下水における濃度はPFOSが最大987ng/L(中央値5.7ng/L),PFOAが最大1840ng/L(中央値8.5n/L),PFNAが最大620ng/L(中央値1.7ng/L),PFDAが最大34ng/L(中央値0.9ng/L)で検出された。測定したPFCsの合計濃度は最大1951ng/L(中央値35ng/L)であった。今回測定した、東京都区部の地下水におけるPFOS,PFHpA,PFDA,PFUnDAの濃度の中央値は、既存の報告による全国一級河川より高濃度であった。特に、PFOS,PFOA,PFNA等の濃度が下水中の濃度を大きく超える地点があったことは、その理由は不明であるが、重要な結果であると考えられる。 また、PFCsは不圧地下水と湧水において高濃度で検出されたが、被圧地下水においても検出された地点が存在した。地下水中のPFOSはcrotamitonより検出地点が多く,PFOS濃度とcrotamiton濃度の比率は、下水や河川と比べて地下水が高かった。
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Research Products
(2 results)