2007 Fiscal Year Annual Research Report
世界の経済活動及び国際貿易による物質流動メカニズムの同定とモデル化に関する研究
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19360240
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
松岡 譲 Kyoto University, 地球環境学堂, 教授 (90109033)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河瀬 玲奈 京都大学, 地球環境学堂, 助教 (90378852)
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Keywords | フロー・ストック量 / ストック勘定表 / フロー勘定表 / Cross-Entropy法 / 貨幣単位 / 物量単位 / GTAP / 物質フロー勘定表 |
Research Abstract |
世界全域の社会・経済活動を支える基盤的物質のフロー・ストック量について、既往の経済統計と整合性の高い勘定表を作成する手法の開発を行なった。 作業基準年を2001年とし、これ以前の30年間にわたる各国の産業連関表、鉱工業・農林水産生産統計、エネルギーバランス表、サービス業統計、国民経済勘定表、各国廃棄物発生量統計、国際貿易統計などを収集し、必要項目の抽出と整理を行うとともに、不十分な箇所について代理指標等を用いて推計・補足作業をした。 また、ストック勘定表について、一部の地域については国富統計等を利用できるが、それのみでは不十分であるため、フロー勘定表をもとに積み上げ作業を行ない、特に、鉄、セメントについては、長寿命性のため、過去100年程度の生産、貿易、消費統計を準備し、ストック表作成の際に使用した。勘定表推計作業は、信頼性の差異が著しく存在する各国、各種の統計表に基づく基礎情報群とスポット的な関連情報や工学技術的な理由によりア・プリオリに定まる各種の制約条件などとを統合する作業となった。このような非定型性が強い問題の対処法として、本研究では、制約条件付きCross-Entropy法を応用し、次のような二段階で推計作業を行なった。 第一に基準年における世界各地域間、地域内の貨幣単位および物量単位の勘定表の推計:GTAPの貨幣単位勘定表、あるいは、それらを標準的な物質原単位で変換した近似的な物質フロー勘定表を事前情報とし、それとのクロスエントロピーを最も大きくする勘定表を推計する表とした。第二にこの基準年のフロー勘定表を事前情報とし、過去の各年毎にクロスエントロピーを最大とする勘定表を求めた。
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