2009 Fiscal Year Annual Research Report
世界の経済活動及び国際貿易による物質流動メカニズムの同定とモデル化に関する研究
Project/Area Number |
19360240
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
松岡 譲 Kyoto University, 大学院・工学研究科, 教授 (90109033)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河瀬 玲奈 京都大学, 大学院・工学研究科, 助教 (90378852)
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Keywords | 脱温暖化社会 / 物質フロー / 物質需要 / 世界貿易マトリクス / クロスエントロピー |
Research Abstract |
世界各地内及び地域間の物質フロー勘定表、物質ストック勘定表を作成するための、勘定体系の構築、その勘定表の推計手法の開発および手法の適用を行った。まず、炭素、窒素、リン、鉄の物質フローについて、全世界24地域を対象とし、1971年から2000年まで期間で推計した。その結果、対象期間において、いずれの物質の投入量増加し、1.5-2.0倍になった。先進国では物質フローの増加割合は低かったのに対して、新興国、途上国では増加割合が高かった。また、一人当たりGDPとGDPあたりの物質の投入量に着目すると、炭素、窒素、リンは経済水準の増加とともにGDPあたりの物質投入量は減少する傾向であるのに対して、鉄は経済発展の初期段階で投入量が増加し、それ以降は減少するという傾向が見られた。 また、IEAのEnergy Balanceはエネルギー統計の中では最も有用なエネルギー統計の一つであるが、いくつかの問題を有し、産業部門のエネルギー消費量のデータに限っても、少なくとも3つの問題があることから、それらの問題を解決できる調整手法を提案、適用し、全世界106地域の1971年-2003年における産業13部門のエネルギー消費量を推計した。推計の結果、IEAのEnergy Balanceが抱えている問題は改善されたことが示された。IEA報告値から推計値への修正を地域別、部門別、年別の要因に分解したところ、地域別の要因の寄与が大きかった。OECD諸国は全般に修正の割合が小さかったが、中には大きな修正が行われた国も見られた。年別要因について見ると、1970年代で大きくなり、古い年のデータほど大きな修正がなされた。
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