2008 Fiscal Year Annual Research Report
微生物電池を利用した電気エネルギー回収型下排水処理プロセスの構築に関する研究
Project/Area Number |
19360241
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
池 道彦 Osaka University, 大学院・工学研究科, 教授 (40222856)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
惣田 訓 大阪大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (30322176)
清 和成 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教 (80324177)
|
Keywords | 微生物電池 / 下排水処理 / 電力回収 / サイクリックボルタンメトリー / 微生物群集解析 |
Research Abstract |
微生物電池(microbial fuel cell,MFC)は,微生物の触媒作用を利用して、有機物の持つ化学エネルギーを電気エネルギーに直接変換する装置である。本研究では,排水中の有機成分から,電子伝達剤(メディエータ)を使用せずに直接電気エネルギーを回収するエネルギー回収型排水処理システムの構築を目指し、反応の中心となる微生物群,メカニズムなど,微生物の面からの調査研究を実施した。MFCによる発電に適した微生物群を検索するため、正極、負極それぞれ330m1容積の2槽式リアクターに活性汚泥(系1)、嫌気性消化汚泥(系2)を用意し、グルコース600mg/Lを主成分とした模擬廃水を用いて連続バッチ実験を行った。最初のバッチでは、最大電圧に達するまで、8-12日を要したが、2バッチ目は数時間で最大電圧に達し、系1、系2において、それぞれ83mV、100mVが得られた。プロピオン酸、酢酸の蓄積が観察され、グルコースが有機酸に分解される過程で発電していることが示唆された。発電を行える微生物は、嫌気、好気どちらの条件にも存在し、嫌気性微生物のほうがスタートアップは速やかであることが明らかとなった。さらに肉エキス、ペプトンを主体とする合成下水を30,580,2100mg-C/Lの3段階作成し、MFCをバッチ運転した。その結果、最大電圧はそれぞれ50、75、120mVとなり、有機物濃度との問に正の相関があることが明らかとなった。
|