2009 Fiscal Year Annual Research Report
高性能コンクリートの実環境における性状変化と耐凍害性
Project/Area Number |
19360243
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
千歩 修 Hokkaido University, 大学院・工学研究科, 教授 (10236127)
|
Keywords | 建築構造・材料 / コンクリート / 耐凍害性 |
Research Abstract |
non-AE高強度コンクリートは、屋外暴露等の後に凍結融解試験を行うと耐凍害性が大きく低下するものがあるが、この理由として、乾湿繰返し等によって生ずる微細ひび割れ、材質変化、含水率分布・水分移動の影響等が考えられる。この原因とメカニズムを明らかにすることは、高強度コンクリートの実環境における耐凍害性の評価および環境条件に応じた適切な空気量の設定等を行ううえで重要である。本年度は、主に含水率分布・水分移動の影響を実験的に検討した。 non-AE高強度コンクリートの試験体を作製し、水中養生期間、乾燥日数、湿潤期間等を変えた14種類の乾湿繰返し後に凍結融解試験を行い、コンクリートの耐凍害性におよぼす影響要因の検討を行った。この結果、乾湿繰返しによる含水率の低下が内部まで進むと耐凍害性が著しく低下することが判明した。さらに、このときの劣化のパターンには、質量が増加するものとスケーリングを生ずるものがあることが明らかになり、含水率分布の状態と劣化形態を分類した。 高強度コンクリートは乾燥によって大きな含水率勾配を生じやすく、表層の含水率が低く、内部の含水率の高い状態で表層から凍結融解を受けた場合、表層の凍結水量が大きくなり、融解後に表層の含水状態が上昇し、その隣接する深部の含水率が低下することを示した。このことから、凍結時に未凍結部分から凍結部分に水分移動が生じていることが考えられる。
|
Research Products
(10 results)