2007 Fiscal Year Annual Research Report
経年によるコンクリートの細孔構造粗大化と耐凍害性低下機構の解明
Project/Area Number |
19360245
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Research Institution | Muroran Institute of Technology |
Principal Investigator |
濱 幸雄 Muroran Institute of Technology, 工学部, 准教授 (70238054)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新 大軌 室蘭工業大学, 工学部, 助教 (70431393)
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Keywords | コンクリート / 耐凍害性 / 細孔構造 / ナノ構造 / 環境変化養生 / 固体NMR / 水蒸気吸着 |
Research Abstract |
本研究では,経年による高強度コンクリートの耐凍害性低下の原因をひび割れおよび細孔構造変化に加え,珪酸カルシウム系水和物(C-S-H)のナノ構造変化から解明することを目的としている.セメント水和物であるC-S-Hのnmスケールでの微細構造変化について,核磁気共鳴(固体NMR)およびガス吸着等温線の測定を行い,コンクリート工学と材料科学を融合した新たなアプローチにより,耐凍害性低下のメカニズムの解明を試みている.なお,本研究では水銀圧入法で得られる直径数nmまでの構造を「細孔構造」,数nm以下のC-S-Hの空隙構造および表面性状,結晶構造を「ナノ構造」と定義している. 平成19年度は,硬化セメントペーストおよびモルタルを用いて径年を想定した30℃および50℃の乾湿繰返しおよび50℃の乾燥を与える環境変化養生を行い,その細孔構造およびナノ構造の変化を水銀圧入法,アルキメデス法,^<29>Si-NMR,窒素および水蒸気吸着によって評価するとともに,耐凍害性の変化との関係について検討した.その結果,乾湿繰返しおよび乾燥に伴って固体部分の真比容積が減少し,全空隙量はほとんど変化しないものの,直径6nm以下のナノ領域の空隙量が減少し,直径40〜2000nmの領域の細孔量が増加する傾向にあることが明らかとなり,乾湿繰返しおよび乾燥に伴う耐凍害性の低下の主要因が,マイクロクラックだけではなく既往の研究でも指摘されている直径40〜2000nmの範囲の細孔量の増加にあることを指摘した.
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