2008 Fiscal Year Annual Research Report
袖壁付き柱を有する鉄筋コンクリート建物の耐震性能評価法に関する研究
Project/Area Number |
19360246
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
壁谷澤 寿海 The University of Tokyo, 地震研究所, 教授 (00134479)
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Keywords | 袖壁 / 鉄筋コンクリート / 柱 / 耐震設計 / 耐震診断 / せん断強度 / 靭性 / 建築構造 |
Research Abstract |
本研究では袖壁付き柱を有する鉄筋コンクリート建物を対象にして以下を目的とする実験的研究および解析的研究を行っている。(1)袖壁付き柱部材の強度と靭性、残存軸耐力,損傷と変形の関係を実験的に明らかにする,(2)袖壁付き柱の復元力特性、とくに最大耐力以降の耐力低下を評価しうる解析モデルの有効性を検証する,(3)袖壁付き柱の強度と靭性、残存軸耐力、損傷の実用的な評価法を提案する,さらに,(4)袖壁付き柱を含む構造物の耐震性能評価手法、耐震診断法の妥当性を解析的に確認する。平成20年度には片側袖壁付き柱部材の基本的な強度・靭性性状を把握するため,袖壁長さ比,補強筋比およびせん断スパン比,軸力などをパラメータとした静的繰り返し載加試験を行った。試験体は内法高さ1400mmの1層1スパンの鉄筋コンクリート造片側袖壁付き柱4体である。柱は全て共通で柱400mm×400mm,袖壁(柱両側)の水平長さは400mmまたは800mm,厚さは100mmで実大スケールの約1/2を想定した。この標準試験体SWT-Lに対して,試験体の断面形状は同じとし,柱帯筋とそで壁の縦横補強筋を2倍にした試験体1体,残り2体では片側そで壁の長さを半分にして一定軸力と変動軸力で試験した。実験により,配筋量および配筋詳細がせん断耐力および曲げ靭性に与える影響を実験的に明らかにするとともに,袖壁付き柱のせん断強度に対して既往の実用設計式を合理的に適用しうる方法として提案した分割累加強度式による計算値,曲げ解析などと実験結果を比較し,算定式および解析の精度が従来の方法では評価が困難であった片側袖壁付き試験体の場合にも妥当であることを検証した。
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