2007 Fiscal Year Annual Research Report
市民への的確なリスクコミュニケーション方策としての住宅構造安全性モニタリング
Project/Area Number |
19360249
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
岡田 成幸 Nagoya Institute of Technology, 工学研究科, 教授 (50125291)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷口 仁士 名古屋工業大学, 工学研究科, 准教授 (20121361)
井戸田 秀樹 名古屋工業大学, 工学研究科, 准教授 (10203192)
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Keywords | 耐震診断 / 木造住宅 / 微動測定 / 構造ヘルスモニタリング / 限界耐力計算 / 時刻歴応答計算 / RD法 / カオス解析 |
Research Abstract |
本研究の目的は,本邦の主要住家である木造建物(倒壊により死者発生危険度が特に高いとされている構造形式)について,地震からの構造健全性を微動のカオス挙動を測定する手法を応用して逐次監視し,さらに監視結果である物理指標を居住者に分かり易い防災情報(生命安全性)に変換し提供(リスクコミュニケーション)することにより,SHMを人的被害軽減化対策システムとして防災に有効活用させることにある。今年度は研究初年度にあたり,以下の4点について研究を進めた。 1.精密耐震診断・限界耐力計算・時刻歴応答計算による耐震評点の算定と微動計測によるデータベースの構築:愛知県下の木造住宅を対象として,微動測定および精密耐震診断を実施し,基本データベースを構築した。同時に,限界耐力計算及び五十田による復元力特性モデルを採用し時刻歴応答計算による耐震評点を算出した。 2.微動記録に基づく耐震評点評価式の構築:微動記録より固有周期、カオス度、減衰定数を求め,それらを説明変数とする耐震評点回帰式を構築し,時刻歴応答による評点と高い相関を確認した(相関係数0.84)。 3.木造解体実験による測定の実施:名古屋市内の住宅解体工事に合わせ,微動測定を実施することにより,耐震性劣化状態の評価式追随性を検討した。 4.現存住宅における年間微動モニタリングの実施:住宅の微動を1回/日連続で計測することを試み,その耐震性の変動をモニタリング可能性を検討した。 以上より,本年度の成果は以下に要約される。微動から推定される耐震特性値を用いて時刻歴応答計算による耐震評点相当を簡便に求める方法を提案した。また,微動記録より建物の剛性と減衰を含めたモデルパラメータを簡便に評価することは可能であり,それを用いた構造健全性のモニタリングは十分可能であることを確認した。
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Research Products
(2 results)