2007 Fiscal Year Annual Research Report
多様な暖冷房と通風利用による快適性と省エネ性の統合的評価手法に関する研究
Project/Area Number |
19360256
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
坂本 雄三 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 教授 (30114490)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前 真之 東京大学, 大学院・工学系研究科, 准教授 (90391599)
赤嶺 嘉彦 東京大学, 大学院・工学系研究科, 産学官連携研究員 (40447420)
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Keywords | 建築環境・設備 / 省エネルギー / 暖冷房 / 通風 / モデル化 |
Research Abstract |
住宅における省エネの更なる推進が急務となる中,2次エネルギー消費の3分の1を占める暖冷房の省エネは特に重要である。現状では,建築サイド(断熱,気密の向上),機器サイド(定格効率の向上)で別々に対策が行われているが,本研究では更なる省エネ化のため,「1.建物負荷と機器容量のバランス」,「2.暖冷房方式の多様化」,「3.通風利用による暖冷房負荷低減」の3つに着目し,それらを統合的に評価する手法の構築を目指す。 平成19年度に実施した研究により以下の成果が得られた。 ■暖冷房機器による室内温熱環境形成の把握 実測,人工環境実験により,各種暖冷房方式の温熱環境形成能力(室内温度分布,気流分布,建物プランとの関係など)やエネルギー消費量などを把握した。この結果は,後のシミュレーション入力用のモデル化に活用する。 ■暖冷房機器の部分負荷領域における効率の把握,モデル化 人工環境室実験により各種暖冷房機器の定格容量に対する負荷率と機器効率の関係を整備した。この結果は機器導入時の容量選定において重要な知見である。さらに,この結果に基づき,熱負荷から機器消費エネルギーを算出するための機器効率のモデル化を行った。 ■市街地状況を考慮した建物周辺気象予測モデルの作成 住宅地の街区密度調査を行い,風洞実験により,住宅地における建物の風圧係数を把握し,シミュレーション入力用の基礎データベースを整備した。通風設計用の基礎データが不十分である現状では,研究に限らず実務においても本データベースの活用が期待され,社会的にも有用なものと考えられる。 ■通風利用による室内温熱環境形成の把握 熱回路網計算と換気回路網計算を連成したシミュレーションを実施し,地域(気象),街区密度,建物断熱性能を変数として,通風の熱負荷削減に対するポテンシャルを評価した。今後は暖冷房機器を含めたシミュレーションにより,通風の効率的な利用方法などの検討を行っていく。
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