2008 Fiscal Year Annual Research Report
建築設計製図のための熱環境設計支援プログラムの開発
Project/Area Number |
19360257
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
梅干野 晁 Tokyo Institute of Technology, 大学院・総合理工学研究科(研究院), 教授 (50108213)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
何 江 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 特別研究員 (00401571)
中大窪 千晶 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助教 (30515143)
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Keywords | 建築環境・設備 / 設計製図 / 設計教育 / 設計支援 / シミュレーション |
Research Abstract |
前年度で,整理・分類した熱環境設計における重要な熱的知識に基づき,大学の講義7コマ程度を想定たしたカリキュラムの作成を試みた。その作業の中で、都市・建築緑化に関して,十分な検討がなされていないことが判明したため、3D-CAD対応熱環境シミュレータを用いて、都市・建築外部空間の表面温度形成などに及ぼす熱的影響の特徴を分析した。特に、ここでは緑化の中でも熱環境調整効果が大きく期待できる樹木を取り上げた。まず、環境設計に重要となる剪定や季節変化による日射遮蔽効果について検討した。その結果、剪定により枝葉を0%〜50%まで減らした結果、日射透過率は10%〜30%まで変化し、夏季と冬季を比べると、40%の差が表れることがわかる。この日射透過率の違いは、樹陰部の表面温度の差として大きく現れるため、熱環境設計を行う上で、維持管理を踏まえることが重要であることが分かる。 また、来年度行う3D-CAD対応熱環境シミュレータを用いた設計製図の実習を行う上で、問題点を抽出するために、演習形式の講義の実践を行った。具体的には、3〜10人程度の3D-CAD対応熱環境シミュレータを使用した経験のない大学生を対象に、ツールの使い方を15分程度説明したあと、シミュレータを用いて戸建て住宅の設計を行い、その熱環境を評価するという講義を3回行った。その結果、15分程度の説明で、簡単な操作は可能となるものの、本人が考えているデザイン通りにモデルを作成していくには、時間が短すぎるため、ツールのインターフェイスの改良や操作に関してサポートしながら演習を進めていく必要がわかった。また、この講義を通して、熱環境設計に興味を持ったという感想が見られたため、演習による講義が有効であることが示唆され、来年度においてはこの結果をもとに、演習課題の作成を行い、実践を通してその効果を示す予定である。
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