2007 Fiscal Year Annual Research Report
「鉛直方向の風の道」による臨海過密都市のヒートアイランド・大気汚染対策の提案
Project/Area Number |
19360265
|
Research Institution | Tokyo Polytechnic University |
Principal Investigator |
義江 龍一郎 Tokyo Polytechnic University, 工学部・建築学科, 教授 (60386901)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 英之 東京工芸大学, 工学研究科, 特別研究員(PD) (10424839)
白澤 多一 東京工芸大学, 工学研究科, 特別研究員(PD) (40423420)
|
Keywords | ヒートアイランド / 風の道 / 乱流拡散フラックス / 移流フラックス / 風通し / CFD / 臨海過密都市 |
Research Abstract |
代表的な臨海都市の街区として、香港の超過密地域を参考に街区モデルを作成し、建蔽率、容積率、建物高さのばらつき等を系統的に変化させた風洞実験を行った。その結果、建物高さにばらつきがある場合には、特に建物背後での風通しが大きく改善され、街区内の気流温度も低くなることが明らかとなった。これは建物高さのばらつきによって鉛直方向の移流または乱流拡散が促進され、上空の冷たい気流が地上付近にまで輸送されるとともに、地表付近の熱が効果的に上空へと排出されるためである。このようにヒートアイランド現象に対して、「鉛直方向の風の道」を考慮することの重要性が確認された。また街区内の平均的な風通しを評価するための指標として、「高さ方向平均グロス建蔽率」を提案し、これを用いれば、街区の形態にかかわらず普遍的に街区内歩行者レベルの平均風速比を評価できる可能性があることが明らかとなった。これは都市再開発や大規模な開発行為の基本計画を考える上で極めて有用な結果である。 また、上記実験の中から、特徴的な傾向を示したケース(建物高さが一様なケースとばらつきがあるケース)を対象として、建物後流での周期的な渦や都市空間における間欠的な息を再現できるLESによって詳細な解析を実施中である。今後はこの解析結果を可視化して、流れ場の様相を詳細に観察したり、各種乱流統計量の空間分布を算出したりすることで、実験では把握しきれない鉛直方向の熱、汚染質の輸送構造を明らかにする。
|
Research Products
(9 results)