2008 Fiscal Year Annual Research Report
京都の都市景観のデザイン原理とその評価システムに関する記号学的研究
Project/Area Number |
19360274
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
門内 輝行 Kyoto University, 工学研究科, 教授 (90114686)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
樋口 忠彦 広島工業大学, 環境学部, 教授 (00016669)
篠崎 道彦 芝浦工業大学, デザイン工学部, 教授 (60241014)
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Keywords | 京都 / 都市景観 / デザイン原理 / 関係性のデザイン / 景観シミュレーション / 評価システム / まちづくり / 記号論 |
Research Abstract |
本研究の目的は、20世紀の環境破壊により重大な危機に直面している歴史都市・京都の景観に焦点を結び、関係性のデザインの視点から、多様な要素を巧みに関係づけ、美しい眺めを育んできた京都の都市景観のデザイン原理を明らかにし、景観の評価システムを構築することである。そのために本年度は次の研究を実施した。 (1)3次元景観シミュレーションシステムの開発・整備 都市景観は、視点の位置や視線の方向によって、これとあれ、近くと遠く、私と公共、建築と都市、人工と自然、伝統と現代を一瞬にして切り結び、思いがけない姿として立ち現れる。京都には、豊かな景観資源があり、それらを有機的に関連づけ、美しい都市景観を生成する叡智が蓄積されている。こうした都市景観のダイナミックな様相を把握するために、GIS、CAD・CG、建築・都市・地形模型等を活用した3次元景観シミュレーションシステムの開発を進めた。このシステムには、景観の構成要素である記号を操作する機能、可視・不可視分析の機能、地形・街並み・建物といった異なるスケールの景観をシームレスに扱う機能、動画像を扱う機能等を組み込んでいる。 (2)総合的な景観評価システムの構築 景観法では、「良好な景観」の具体的な内容については地方自治体に委ねている。各地方自治体は、何がその土地で好ましい景観なのかについて議論し、形態意匠の認定、景観協議の場で特定の地点からの景観の評価を行うことが求められており、そのための評価システムの開発が急務となっている。 本研究では、景観という現象の多層性に焦点を結び、(1)イメージ・身体性に根ざした景観、(2)環境・人間行動を映し出す景観、(3)テクストとしての景観、という各層の景観を評価すると共に、それらを重ね合わせて総合的な景観評価システムの構築をめざして研究を推進した。
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Research Products
(28 results)