2008 Fiscal Year Annual Research Report
北米における建築用途の条件審査型許可制度の実態と運用に関する研究
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19360280
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Research Institution | National Institute for Land and Infrastructure Management |
Principal Investigator |
木内 望 National Institute for Land and Infrastructure Management, 都市研究部都市防災研究室, 室長 (80251346)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
明石 達生 国土技術政策総合研究所, 都市研究部都市計画研究室, 室長 (00450346)
有田 智一 筑波大学, 大学院・システム情報工学研究科, 准教授 (90344861)
飯田 直彦 建築研究所, 住宅・都市研究グループ, 上席研究員 (40356019)
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Keywords | 土地利用規制 / ゾーニング / 特例的許可制度 / 用途規制 |
Research Abstract |
平成19年度の研究結果を踏まえて詳細ヒアリング調査を実施した。2007年の審査事例の内容をホームページ等からリスト化できる、北東部1、南部1、中西部4、太平洋岸2の計8都市について、用途関係が問題となっている事例の内から興味深いものを抽出し、市担当部局に依頼して審査資料の収集と申請・審査内容のヒアリングを行い、実地視察を行った。併せて、カナダの2市について、米国との状況の違いを中心に調査した。 2年間の研究成果をまとめると、制度の構成は都市により様々だが全体としてみれば、(1)影響の度合によって制度と手続を使い分けている、(2)審査基準は汎用的かつ個別的に明記されるが定性的である、(3)軽微な場合の判断や勧告の提示などで専門家である行政担当者の役割が大きい、(4)非専門家を中心とする合議体が審査を行いその過程で市民等の意見反映の機会が工夫されている、ことが特徴として挙げられる。個別案件の審査においては、(3)の専門性と(4)の民主性の両方を担保するよう手続が組まれており、柔軟でありながら適切な判断がなしうるのだと考えられる。条件付許可が指定される用途とゾーニング地区との関係では、イ)ケア居住施設、駐車施設、インフラ用途全般、医療介護施設が多くの地区で指定される、ロ)ゾーニング別では、住居系では下宿やコミュニティ施設、商業系では自動車業と倉庫、工業系では処理工場と廃棄物などが指定される場合が多い、といえる。イ)については、いずれも社会的に必要であるが、近隣からは忌避される面も持つ用途で、ロ)に関しては、ゾーニングの趣旨に合致はするが、集積による問題や近隣との不調和等も起こりうる用途である。都市毎の特徴では、指定を行う用途や地区を絞り、審査のタイプも使い分けながら案件を限定する都市がある一方、幅広い用途・地区で指定を行って、条件付許可を多用する都市もみられた。総じて言えば、前者は用途の混在を抑える、後者は用途混在を許容・推進しているといえ、都市の政策目標に応じた使い方がされている。
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Research Products
(1 results)