2009 Fiscal Year Self-evaluation Report
Building archeological study on the French Romanesque Architecture based on the Japanese architectural methodology
Project/Area Number |
19360281
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
Architectural history/design
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
NISHIDA Masatsugu Kyoto Institute of Technology, 工芸科学研究科, 准教授 (80198473)
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Project Period (FY) |
2007 – 2010
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Keywords | ロマネスク建築 / 建築考古学 / 建設現場 / 尺度論 / 日本的建築観 |
Research Abstract |
建築史研究において伝統的に日本的な方法である「建築考古学」をフランスの比較的小規模のロマネスク建築に適用し、ロマネスク建築が中世の社会や人々の心性の中でどんな形で、如何なる意味を持って建設されたのかを明らかにする。当時、建築を実際に構想した者たちや実際に建てた建造者たちが、実際に何を考え、何を意図し、何を実現したのか、建設の現場で、実際に何が考えられ、何が行われ、何が起こっていたのかを、そしてそれらが当時の社会の中でどのように考えられていたのかを、モノとして眼前に存在する建築物の石や柱や細かな寸法を詳細に観察し、記述し、記録し、分析し、考察し、建物そのものに語らせしめる。モノを対象に行われる「考古学」が、建築物を通して浮かび上がらせるロマネスク建築の社会精神史研究である。特に、西洋の研究者の間では未開拓の分野である寸法・尺度の建築考古学に重点を置き、日本的方法がロマネスク建築研究においても一定の有効性があることを示す。また、フランスの専攻的研究者との交流を密にし、調査で得られた情報の共有をはかり、ヨーロッパにおいても近年注目を浴びている建築考古学が伝統的な日本の方法であることとその有効性をフランスに発信する。
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