2007 Fiscal Year Annual Research Report
単原子積層エピタキシャル人工格子における超微細磁気構造とスピン伝導の解析
Project/Area Number |
19360284
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
土井 正晶 Tohoku University, 大学院・工学研究科, 准教授 (10237167)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐橋 政司 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (20361123)
三宅 耕作 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教 (20374960)
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Keywords | エピタキシャリル薄膜 / 単原子積層 / 巨大磁気抵抗効果 / CPP-GMRスピンバルブ / アンドレーフ反射 / スピン分極率 / フルエピタキシャル / MR変化率 |
Research Abstract |
テラビット超級の面記録密度を、磁気記録において実現して行くためには、これまでにない新たな量子スピン伝導に基づいたMR原理に基づくデバイスを開発する必要がある。このようなナノ領域でのデバイスにおいては、実効的なスピン分極率の増加を用いることがキーテクノロジーのひとっとなることが予想される。本研究では最終的にGMRの電流狭窄による量子効果とスピン伝導の方向制御による高スピン分極化を融合したMR原理の創製とそのデバイスへの適用検討を目標とする。平成19年度は第一にエピタキシー技術を用いることにより1原子層で制御した単原子積層エピタキシャル薄膜(ALM(Alternate Monatomic Layered))を作製・評価し、点接触アンドレーフ反射を用いてそのスピン分極率を評価した。その結果、MgO(001)基板上に基板温度75℃で成膜したAML[Fe/Co]_nでは同じ方法で測定されたホイスラー合金系ハーフメタルに匹敵する高いスピン分極率(P=60%)が得られることが示された。このP値は、これまでのFe_<50>Co_<50>合金薄膜のP値より10%ほど高いものであり、規則度の上昇がスピン分極率を高めている可能性を示唆している。次にMgO(001)基板上にAuの下部電極を含むAu300/[Fe/Co]_<10>/Au5/[Fe/Co]_<10>構成のフルエピタキシャル薄膜にIrMnを積層したスピンバルブ薄膜を作製し、微細加工したCPP-GMR素子のMR特性を評価した。その結果、AuスペーサにおいてもFe_<50>Co_<50>とCuを用いたCPP-GMRスピンバルブ薄膜素子のMR比(1%程度)をはるかに上回る最大5%のMR比が得られることが示された。その理由としてスピン分極率の増大に起因した面積抵抗変化量の増大とエピタキシャル成長による界面抵抗の低下に起因した面積抵抗の低減が考えられる。
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Research Products
(11 results)