2009 Fiscal Year Annual Research Report
バイオミメティック微細構造制御による超高速エレクトロクロミック新材料の開発
Project/Area Number |
19360287
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
井上 泰志 Nagoya University, エコトピア科学研究所, 准教授 (10252264)
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Keywords | エレクトロクロミック / 窒化インジウム / 斜め堆積法 / バイオミメティック / ナノロッド構造 / 反応性イオンプレーティング / 反応性スパッタリング / 窒素ラジカル支援真空蒸着 |
Research Abstract |
本研究では,高周波反応性イオンプレーティング法に斜め堆積法を導入することによりInN薄膜の微細構造制御を行い,EC応答特性を評価して律速因子を明らかにした. 薄膜の断面微細構造がEC応答特性に与える影響を調査するため,柱状結晶間空隙サイズの異なる薄膜を積層した二層構造化InN薄膜を作製し,EC応答特性を評価した結果,以下のような律速因子を考えられることがわかった.1.溶液側から粗な柱状結晶間空隙深部までのイオン供給,2.基板側から柱状結晶へのキャリア供給,3.密な柱状結晶粒界への電解質の浸透とそこでのイオン輸送. また,支持電解質水溶液濃度およびpHがEC応答特性に与える影響を調査した結果,イオン輸送の律速因子は,さらに2つの因子に分けて考える必要があることがわかった.a.沖合から空隙深部までのイオンの供給,b.空隙深部から沖合までのイオンの離脱.特に低い濃度領域では,供給が離脱に対して律則する結果が得られた. 本研究の成果を総合して,応答速度の最適化を図った結果,目標とした0.016sは達成できなかったが,最も早いEC応答時間として0.1s以下を実現した.しかし,応答速度の速い試料は色変化繰返し耐久性が低い傾向があった.表面吸着型EC材料を実用化するためには,今後,耐久性の向上に関する研究が不可欠である. InNと同じn型縮退半導体であるITO膜を高周波マグネトロンスパッタ法によって作製し,近紫外領域において,最大18%の透過率変化を伴うEC現象が起こることを発見した.
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Research Products
(29 results)