2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19360291
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Research Institution | Japan Aerospace Exploration Agency |
Principal Investigator |
稲富 裕光 Japan Aerospace Exploration Agency, 宇宙科学研究本部, 准教授 (50249934)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
栗林 一彦 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究本部, 教授 (70092195)
樋口 健介 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究本部, 研究員 (10462897)
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Keywords | 金属物性 / 過冷融液 / 磁性 / 物性実験 |
Research Abstract |
今年度は、強磁場中でCoPd融液を安定浮遊するための電磁浮遊炉の改良および浮遊融液にレーザー光を入射し磁気光学カー効果を測定する装置の開発を行い、偏光解析を試みた。 既有の電磁浮遊炉では、Siに比べ密度の大きいCoPdを浮遊・溶融すると同じ高周波出力でも大きな過冷却状態を得にくいことが予備実験で明らかになった。そのため高周波コイルの形状と巻き数を変更することで融液の温度上昇を抑えながら浮遊力が大きくし、加えてAr・He混合ガスの吹き付けによる冷却をより効果的にする工夫を行うことで、密度の大きな融液に対応出来るように電磁浮遊チャンバーを改良した。そしてこのチャンバーを超伝導マグネット内に設置して、強磁場中でCoPd浮遊溶融実験を行った。その結果、3Tの磁場印加でCoPd融液の並進振動および表面振動が抑制され、最大温度2000K以上から強磁性転移が起こり得ると予測されているキュリー点近傍の1300Kまで融液を冷却することが出来た。 融液表面での磁気光学カー効果を利用して融液の磁化を調べるために、He-Neレーザー(波長:633nm、出力:17mW)を入射光源とし、ビームスプリッターで光を分けて垂直反射光を計測する光学系を試作し,電磁浮遊チャンバー上部に設置した。その光路上には偏光板や波長板、レンズ、ピンホール等の光学部品を取り付けた。加えて上述のように融液の形状及び浮遊位置を固定出来るようにした結果、試料表面に正確にレーザー光の照射を行うことが可能になり、輻射光強度に対する反射光強度の比が偏光解析を行うのに十分なものとなった。 以上の測定装置開発及び予備実験を経て、現在はカー効果測定結果の解析を行っている最中である。
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