2009 Fiscal Year Annual Research Report
低温気相成長したマルチフェロイック薄膜の複合構造制御による高機能化
Project/Area Number |
19360292
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
増本 博 Tohoku University, 学際科学国際高等研究センター, 教授 (50209459)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
後藤 孝 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (60125549)
大沼 繁弘 (財)電気磁気材料研究所, 電磁気材料グループ, 主任研究員 (50142633)
才田 淳治 学際科学国際高等研究センター, 准教授 (20359540)
|
Keywords | セラミックス / CVD / 薄膜 / Y-Fe-O / 誘電体 / 磁性体 / 電極薄膜 / 誘電率 |
Research Abstract |
本年度は、誘電特性と磁気特性を有する材料薄膜、および誘電特性評価に有用な電極材料薄膜の作製を行い、複機能物性材料研究を総括した。 磁性および誘電性を兼ね備えた化合物であるY-Fe-O系化合物薄膜をCVD(化学気相析出法)で合成した研究では、これまで報告例がなかった有機金属錯体を用いたCVD(MOCVD)法により初めてYFeO_3およびY_3Fe_5O_<12>薄膜の合成に成功した。得られたYFeO_3およびY_3Fe_5O_<12>薄膜は、それぞれフェリ磁性、強磁性を示し、かつ両者とも誘電率4~14、tanδ 0.11~0.28を有する誘電体であることを明らかにした。特にY_3Fe_5O_<12>薄膜の飽和磁化の強さは5kG(at 5kOe)を越えており、スパッタ法で作製された強磁性マグネタイト薄膜を超える優れた特性を有していた。 金属-セラミックス系ナノ複相構造膜として、Fe-Ti-O系膜をスパッタ法により作製し、その特性と構造を検討した。Fe_<31>Ti_<22>O_<47>薄膜は超常磁性を示し、磁束密度2.51kG(at 5kOe)の軟磁性材料でかつ、電気比抵抗は4.16×10^6μΩcm、誘電率約34、誘電損失0.59(at 100kHz)を有する磁性-誘電体となる最適条件を明らかにした。 電極薄膜として(001)SrRuO_3(SRO)、(001)CaRuO_3(CRO)および(205)BaRuO_3(BRO)薄膜を、レーザアブレーションによって(001)LaAlO_3基板上に作製し、その結晶組織、構造と電気伝導度との関係を調べた。SROとBROの薄膜の電気伝導率は、基板温度および酸素圧力の増加にともない増加した。特に(001)CRO薄膜は、最も高い電気伝導率(1.5×10^5Sm^<-1>)を示した。
|
Research Products
(10 results)