2008 Fiscal Year Annual Research Report
オーロラPLD法による構造誘起マルチフェロイック薄膜の合成と巨大相互作用発現
Project/Area Number |
19360296
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
脇谷 尚樹 Shizuoka University, 工学部, 教授 (40251623)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 久男 静岡大学, 創造科学技術大学院, 教授 (70154573)
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Keywords | マルチフェロイック / オーロラPLD / 薄膜 / 強磁性 / 強誘電性 |
Research Abstract |
本研究の目的は強誘電性と強磁性間で相互作用が生じる原因を解明することを通して巨大な相互作用を発現させるための指導原理を提案することにある。また、マルチフェロイック特性を利用した新しいデバイスである、電界の印加のみならず、磁界の印加によっても誘電率を変調可能な電界磁界チューナブルキャパシタの創製を目指している。 20年度は強誘電体マトリックス中に強磁性体のナノピラーを成長させる1-3型と呼ばれる複合薄膜の作製を行った。具体的には、CeO_2/ YSZの2層からなるバッファー層を形成したシリコン基板上、YSZ単結晶基板上およびNbを添加した導電性SrTiO_3単結晶上にBaTiO_3-CoFe_2O_4の同時エピタキシャル成長薄膜を作製したBaTiO_3とCoFe_2O_4がともにエピタキシャル成長していることの確認は極点図形観察で行った。薄膜に印加されている残留応力の測定は客格子空間マッピング測定を用いたエピタキシャル成長薄膜用のsin^2φで測定した。薄膜の残留応力は基板の種類によって変化した(Si上では引っ張り、YSZとNb-SrTiO_3上では圧縮)が、ダイナミックオーロラPLD法で成膜時に2000Gの磁場印加を行うと圧縮応力から引っ張り応力へと応力の方向が変化することが明らかになった。作製したBaTiO_3-CoFe_2O_4エピタキシャル薄膜の電気特性測定時に、外部磁場を印加すると強誘電性および誘電率が変化することが明らかになった。この原因として、外部磁場の印加によって磁性体薄膜に磁歪が生じ、生じた磁歪が強誘電体薄膜に伝搬することにより強誘電性が変化したと考えている。実際、圧縮応力が印加されているYSZ単結晶基板上で大きな変化が観察された。
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Research Products
(9 results)