2007 Fiscal Year Annual Research Report
環境調和型強誘電体セラミックスを用いた非鉛圧電デバイスの実用化開発研究
Project/Area Number |
19360302
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
竹中 正 Tokyo University of Science, 理工学部, 教授 (70096709)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永田 肇 東京理科大学, 理工学部, 助教 (70339117)
晝間 裕二 東京理科大学, 理工学部, 助教 (50453816)
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Keywords | 非鉛圧電セラミックス / 非鉛強誘電体 / ビスマスペロブスカイト / 積層セラミックアクチュエータ / 電気機械結合係数k / 機械的品質係数Qm / 圧電歪み定数 / d33 |
Research Abstract |
非鉛系圧電材料の分野で、現在もっとも強く求められている圧電歪み定数が大きく(d_<33>が300pC/N以上)、かつ、動作温度範囲の広い(脱分極温度T_dが200〓以上)非鉛圧電アクチュエータを新しく開発することを目的とした。本年度取り組んだ項目を具体的に述べる。 (1)(Bi_<1/2>Na_<1/2>)TiO_3(BNT)系の脱分極温度T_dを高める目的で、BNT系3成分固溶体セラミックスx(Bi_<1/2>Na_<1/2>)TiO_3-y(Bi_<1/2>Li_<1/2>)TiO_3-z(Bi_<1/2>K_<1/2>)TiO_3[BNLKT100y-100z]を作製し、その相転移温度と電気的諸特性との関係について詳細に調査した。その結果、菱面晶組成であるBNLKT4-8で、T_d=221℃まで高温化し、高温でも圧電性の劣化が少なく、安定していることがわかった。さらに、この組成にMnを添加すると、T_dは若干低下するが、機械的品質係数Qmは720まで増加した。 (2)高密度KNbO_3(KN)系強誘電体セラミックスを作製し、圧電的諸特性やその温度特性を詳細に調査した。無添加KNセラミックスで、抵抗率ρは室温で10^<13>Ω・cm以上の高い抵抗率が得られた。(33)モードのインピーダンス周波数特性(位相最大値θ_<max>=87.2°)から、十分に分極処理が施されているがわかり、その電気機械結合係数k_<33>=0.49、Q_m=325、d_<33>=91.7pC/Nという良好な結果を得た。また、Mnを添加したKN-Bi0.3Mn0.4ではd_<33>は109pC/Nと無添加より20%程度高い値が得られた。Bi_2O_3の添加により自由誘電率が大きくなったことがd_<33>の向上につながったと考えられる。MnCO_3やBi_2O_3などの微量添加は、KNセラミックスの高い圧電性を維持したまま、プロセスウィンドゥの広域化(易焼結化)を可能とした。さらに、Mnを添加したKN-Mn0.8の(15)モードではk_<15>=0.52、d_<15>=260pC/N、およびQ_m=278が得られ、KN系セラミックスは(15)モードが圧電応用に対して有利であることがわかった。
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Research Products
(41 results)