2008 Fiscal Year Annual Research Report
耐ロバスト性を有する軽量高比強度TiAl基鍛造合金の組織制御
Project/Area Number |
19360312
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
竹山 雅夫 Tokyo Institute of Technology, 大学院・理工学研究科, 准教授 (30251622)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高田 尚記 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教 (70432523)
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Keywords | 曲げ治具 / 曲げ試験 / き裂進展 / フルラメラ / 単結晶 / ラメラ方位 / 破壊靱性 / 組織制御 |
Research Abstract |
高靭性鍛造TiAl基合金の開発のための組織設計法の指導原理を構築することを目的に,本年度はTiAlの最も特徴的なラメラ組織におけるき裂の伝播挙動を直接観察するため,SEM内において曲げ試験ができる治具を試作し,以下の成果を得た: (1)SEM内曲げ試験治具の試作 SEMチャンバー内という空間的な制約及び最大荷重を小型モータによる測定範囲200Nに納めるため,厚さ1mmの試験片を想定して,支点間距離を24mm,最大ストロークは7mmとし,また,観察部(曲げ部)の視野を固定するために支点を固定して2つの力点を変位させる曲げ試験機を作製した. (2)TiAlフルラメラ単結晶のSEM内曲げ試験によるき裂進展観察 Ti-47.5Al単結晶(PST結晶)を光学式浮遊帯域溶融装置により育成し,育成結晶から曲げ荷重軸方向に対してラメラ方位の異なる二つの曲げ試験片を作成して,曲げ試験を行った.ここで,試験片とポンチとの接触線とラメラとのなす角度をλ,試験片厚み長手方向の端面におけるラメラ方向と荷重軸との角度をθと定義し,ラメラがほぼ垂直(θ=30°,λ=6°)の試料は弾性変形により著しく高い荷重を示した後すぐにき裂が生じ,その後連続的に荷重が低下する.一方,ラメラが傾斜した試料((θ=6°,λ=30°)では,前者の試料の約半分の荷重にてき裂の発生が生じるが,その後変位とともに荷重は増大し破断に至る.前者では,き裂はラメラに沿って進展するが,後者はラメラを横切るき裂が多数観察される.以上のことから,前者はき裂の発生に対しては優れ,後者はき裂の伝播に対して優れることを見出した.
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Research Products
(6 results)