2009 Fiscal Year Annual Research Report
5A族金属系水素分離膜合金の機能設計 -高い水素透過能と耐水素脆性の両立-
Project/Area Number |
19360315
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
湯川 宏 Nagoya University, 工学研究科, 助教 (50293676)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森永 正彦 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 教授 (50126950)
松本 佳久 大分工業高等専門学校, 機械工学科, 教授 (40219522)
南部 智憲 鈴鹿工業高等専門学校, 材料工学科, 准教授 (10270274)
|
Keywords | 水素透過膜 / 耐水素脆性 / 水素透過能 / ニオブ / 固溶水素濃度 / 合金効果 / 合金設計 |
Research Abstract |
本研究では、5A族金属合金の水素脆性を定量的に評価し、脆化の条件を明確化するとともに、その改善のための指針を得る。高い水素透過能と耐水素脆性という相反する要求を同時に満たした水素分離膜合金を開発することを目的に研究を行った。本年度は以下の成果を得た。 (1)5族系水素透過合金の設計指針の確立 高い水素透過能と優れた耐水素脆性を両立させるための「合金設計の指針」を確立した。この設計指針をニオブ以外の5A族合金系へ展開し、設計指針に従って高い水素透過能と優れた耐水素脆性を両立した、Nb系合金、V系合金およびTa系合金の開発に成功した。 (2)高温水素雰囲気in-situ引張試験 SP試験は、延性-脆性遷移に対して感度よく測定できるが、多軸の複雑な変形モードにより破壊に至るため、変形モードの解析や弾性定数などの機械的性質の評価が困難である。 本研究では、高温水素雰囲気その場引張り試験を新たに開発した。そして、水素中での降伏応力や引張り強度などの機械的性質を固溶水素濃度の観点から明らかにした。 (3)水素透過中その場の水素の拡散係数の解析 純NbおよびNb系合金について、水素透過中その場の拡散係数の解析を初めて行った。水素の拡散係数は、FCC結晶系のPdに較べて、BCC結晶系のNbの方が低いことを初めて明らかにした。またニオブ中の水素の拡散係数が、WやRuを添加することで増加することを明らかにした。
|
Research Products
(26 results)