2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19360316
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中野 貴由 Osaka University, 大学院・工学研究科, 准教授 (30243182)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田畑 泰彦 京都大学, 再生医科学研究所, 教授 (50211371)
波多 聰 九州大学, 総合理工学研究院, 准教授 (60264107)
|
Keywords | 骨微細構造 / 集合組織 / 力学特性 / op / opマウス / 生体アパタイト / 微小領域X線回折 / FIB / 破骨細胞 |
Research Abstract |
骨組織の様々な特性は、骨密度よりも、むしろ、アパタイト結晶子のc軸配向性により支配されることから、骨組織の主成分であるアパタイト結晶子の配向性は、新しい骨質指標として極めて有望である。一方で、骨が最適な力学機能を発揮するための配向組織形成機構については全く不明である。本研究では、材料工学的手法を中心に分子生物学的手法を導入しつつ、骨系細胞レベルから、その本質に迫ることを目的とする。本年度は特に破骨細胞の役割を中心とし、配向化に関する骨系細胞の役割の本質を解明した。 破骨細胞の発現・活性の程度の異なる3段階の破骨細胞欠損(もしくは活性化)マウスモデル((1)破骨細胞が全く存在しない遺伝子組み換えマウス、(2)破骨細胞が初期に存在せず、成長とともに回復するop/opマウス(M-CSF欠損自然発生型マウス)、(3)破骨細胞過剰発現マウス)を用いて、微小領域X線回折法を用いたアパタイト配向性の解析を中心とした材料工学的手法を駆使して、破骨細胞の役割を理解するよう努めた。その結果、破骨細胞数の増加・低下いずれの場合においても、配向性を低下する方向へと作用し、骨力学機能の低下へとつながった。こうした配向性の低下は、破骨細胞による骨溶解・吸収、残留、骨芽細胞の活性化度の変化、さらには骨代謝回転速度の変化によって、理解された。さらに、配向性の形成に重要な影響を及ぼすと考えられる成長板近傍付近での配向性形成について、FIBを用いた試料作製手法の確立と、TEMによる観察を実施し、初期石灰化、配向化について解明した。
|
Research Products
(5 results)