2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19360316
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中野 貴由 Osaka University, 大学院・工学研究科, 教授 (30243182)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井藤 幹夫 大阪大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (00294033)
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Keywords | 骨配向性 / 遺伝子組み換え動物 / 破骨細胞 / 微小領域X線回折法 / 骨粗鬆症 / 骨代謝回転 / ナノインデンテーション法 / ヤング率 |
Research Abstract |
材料工学的手法を駆使することで、骨内のアパタイト配向化への支配因子について、細胞レベルにまで遡り解明を試みた。特に、単独種の細胞を欠損、もしくは活性化させるような特殊な動物モデルを用いて、配向化に及ぼす骨系細胞の役割に対する本質を追及した。昨年度までに、破骨細胞を欠損させた大理石骨病マウスを用いて、破骨細胞の存在しない状態、もしくは活性化破骨細胞が減少した状態での配向化機構を解明したことから、本年度は全く逆の立場から、破骨細胞数を増加させたマウスを用いて、骨配向化機構を明らかにした。 その結果、破骨細胞を増加させることで、骨粗鬆症を発症し、皮質骨の多孔質化を始めとした骨粗鬆症の特徴が発現した。多孔質化した部位においては、微小領域X線回折法(1次元、2次元PSPC使用、入射X線径20〜300μm)を用いることで、骨長手方向のアパタイトc軸配向性解析により、著しい配向性の低下が認められた。一方で、外膜側の緻密な皮質骨部位では、配向性の低下は顕著ではなかった。こうした低配向化を引き起こした原因は、破骨細胞数の増加にともなう骨の類骨化、代謝回転速度の高速化に起因するものと考えられた。さらに、配向性の変化はナノインデンテーション法による微小部ヤング率の変化を始めとした骨組織の力学特性変化とも密接な関係を示した。結果として、正常な骨系細胞の存在する場合に比べ、破骨細胞数の増減は骨配向性をいずれも低減し、結果として骨力学機能の劣化へとつながった。
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Research Products
(5 results)