2007 Fiscal Year Annual Research Report
骨形成能制御を目的としたチタン及びチタン合金のセラミックス化表面改質
Project/Area Number |
19360324
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
成島 尚之 Tohoku University, 大学院・工学研究科, 教授 (20198394)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
勝部 朝之 東北大学, 大学院・歯学研究科, 大学院非常勤講師 (40375192)
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Keywords | チタン / アパタイト / 骨適合性 / 表面改質 / 生体材料 / リン酸カルシウム / ドライプロセス / ウェットプロセス |
Research Abstract |
本年度は、セラミックス化表面改質として、RFマグネトロンスパッタリング法、PLD法、擬似体液浸漬法、ガス酸化法に関する検討を行った。得られた成果を以下に示す。 (1)RFマグネトロンスパッタリング法:ブラスト処理を施したチタン基板およびインプラント上にリン酸カルシウム膜を作製した。リン酸カルシウム相としては、非晶質リン酸カルシウムとオキシアパタイトが得られた。チタン基板をブラスト化することで、チタン基板/リン酸カルシウム膜間の密着性向上が確認された。また、リン酸カルシウムコーティングを施すことで、コーティング無しチタン材と比較して、骨芽細胞のALP活性が向上した。さらに、リン酸カルシウムコーティングは、日本白色家兎大腿骨からのチタンインプラントの回転除去トルクを向上させた。 (2)PLD法:ターゲットにβ型リン酸三カルシウムを用いたPLD法により、チタンおよびガラス基板上にリン酸カルシウム膜の作製を試みた。レーザー/ターゲット間距離やレーザー出力を制御することで、非晶質リン酸カルシウム膜が形成される条件を把握しつつある。 (3)擬似体液浸漬法:基礎研究としてNaOH処理を施したチタン基板表面でのアパタイト形成に及ぼすイオン濃度、温度、pHなどの擬似体液条件の影響を把握した。Mgイオンは、チタン表面でのアパタイト形成速度を著しく低下させ、炭酸イオンは形成されるリン酸カルシウム形態に大きな影響を及ぼすことが明らかになった。擬似体液の温度およびpHを変化させた系統的な研究により、チタン表面にリン酸カルシウムが形成される擬似体液条件を明らかにした。 (4)ガス酸化法:COガスを利用した新規なチタン表面改質プロセスの検討を開始した。生体適合性に優れると報告されているアナターゼ層の作製に着目し、チタンのCO中酸化処理によるアナターゼ層作製条件を見いだした。
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Research Products
(11 results)