2008 Fiscal Year Annual Research Report
骨形成能制御を目的としたチタン及びチタン合金のセラミックス化表面改質
Project/Area Number |
19360324
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
成島 尚之 Tohoku University, 大学院・工学研究科, 教授 (20198394)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上田 恭介 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教 (40507901)
|
Keywords | チタン / アパタイト / 骨適合性 / 表面改質 / 生体材料 / リン酸カルシウム / ドライプロセス / ウェットプロセス |
Research Abstract |
チタンのセラミックス化表面改質として、RFマグネトロンスパッタリング法、PLD法、擬似体液浸漬法、ガス酸化法に加えて、パックセメンテーション法に関しても検討を行った。 (1) RFマグネトロンスパッタリング法 : チタンの骨適合性向上に関するリン酸カルシウムコーティングの有効性を動物実験で明らかにした。その過程で、(a)リン酸カルシウムコーティングの対象であるチタン基板がブラスト処理されている場合、通常の光学顕微鏡を用いた組織評価では不十分であり、SEMレベルでの界面観察が必要であること、(b)非晶質系リン酸カルシウムは約2週間の埋入後には生体中に吸収されるのに対し、結晶質系では4週間後にも生体中に残存することを見い出した。従来、非晶質系リン酸カルシウムの生体中の安定性には不明の点が多かったが本研究により明快な結論が出された。 (2) PLD法 : ターゲットにβ型リン酸三カルシウムまたはハイドロキシアパタイトを用い、チタン基板上に膜状のリン酸カルシウムを作製できる条件を把握した。 (3) 擬似体液浸漬法 : NaOH処理を施したチタン基板表面でのアパタイト形成に及ぼすMgおよびHCO_3イオン濃度の影響を調査した。アパタイト形態を板状または針状に制御することが可能であることを明らかにした。これは、アパタイトのタンパク質に対する吸着材としての応用の観点からも興味深い。 (4) ガス酸化法 : チタン中の固溶炭素が、アナターゼ相形成に及ぼす影響を明らかにした。 (5) パックセメンテーション法 : リン酸四カルシウムまたはハイドロキシアパタイトをパック粉末として使用することにより、チタン基板上にアパタイト相を形成することに成功した。特に、リン酸四カルシウムでは、そのハイドロキシアパタイトとCaOへの分解がアパタイト形成に関与していることを明らかにした。
|
Research Products
(23 results)