2009 Fiscal Year Annual Research Report
骨形成能制御を目的としたチタン及びチタン合金のセラミックス化表面改質
Project/Area Number |
19360324
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
成島 尚之 Tohoku University, 大学院・工学研究科, 教授 (20198394)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上田 恭介 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教 (40507901)
|
Keywords | チタン / アパタイト / 骨適合性 / 表面改質 / 生体材料 / リン酸カルシウム / ドライプロセス / ウェットプロセス |
Research Abstract |
(1)RFマグネトロンスパッタリング法:前年度までにチタン上に作製した非晶質リン酸カルシウムコーティング膜の優れた骨適合性は生体吸収時のCaイオンやリン酸イオンの徐放にあることを明らかにした。本年度は新たな徐放元素としてNa、Ti、Siを非晶質リシ酸カルシウム中へ添加するプロセスを確立した。ターゲットにはバルク材料として優れた骨適合性を有することが知られている60CaO-30P_2O_5-7Na_2O-3TiO_2(mol%,PIG3)およびSi添加(3mass%)PIG3ガラス系材料を利用した。これらのターゲット材料を用いたRFマグネトロンスパッタリング法により非晶質リン酸カルシウムコーティング膜が得られた。特にSi添加PIG3ターゲットを利用した際に得られる非晶質リン酸カルシウムからはラマン分光法によりSi-O結合の存在が確認された。 (2)熱酸化法:二段階熱酸化法という簡便で生産性の高いプロセスによりチタン上にアナターゼ優勢の酸化皮膜を作製することに成功した。二段階熱酸化はAr-CO雰囲気中の第一段階、大気中での第二段階からなる。第一段階におけるTiC_xO_yの形成、第二段階における温度制御がアナターゼ形成のために必須で、アナターゼ相がほとんど単相で得られる条件も見出した。作製されたアナターゼ優勢酸化皮膜の優れた骨適合性が擬似体液浸漬により確認された。 (3)パックセメンテーション法:前年度に開発したリン酸四カルシウム(TTCP)粉末を利用したパック法における骨適合化層形成機構を解明した。ハイドロキシアパタイト(HAp)、CaTiO_3およびTiO_2からなる骨適合化層は、(イ)TTCPからHAp+CaOへの分解、(ロ)CaOとTiO_2の反応によるCaTiO_3形成、(ハ)チタン外方拡散機構酸化によるTiO_2形成に伴うHApの取り込み、により形成されることが明らかとなった。
|
Research Products
(28 results)
-
-
-
-
-
[Journal Article]2010
Author(s)
成島尚之, (共著、監修塙隆夫)
-
Journal Title
医療用金属材料概論((社)日本金属学会)
Pages: 74-84,92-101,153-166
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-