2007 Fiscal Year Annual Research Report
500℃以上の耐熱性を有する紫外線透過光学材料の高強度室温接着
Project/Area Number |
19360329
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
村原 正隆 Tokyo Institute of Technology, イノベーション研究推進体, 教授 (40166301)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 孝友 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (50029237)
實野 孝久 大阪大学, レーザーエネルギー研究センター, 准教授 (30162811)
吉田 国雄 東京工業大学, イノベーション研究推進体, 教授 (70029338)
内田 成明 東京工業大学, イノベーション研究推進体, 教授 (20260177)
佐藤 雄二 東京工業大学, イノベーション研究推進体, 助教 (40422547)
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Keywords | シリコーンオイル / エキシマランプ / 光酸化膜 / 紫外線透過接着膜 / アモルファスガラス / 耐熱性 / 非線形光学結晶 / 耐水性 |
Research Abstract |
平成19年度の研究目的は、石英ガラス同士の被接合面に塗布されたシリコーンオイルに紫外線を照射して、光酸化によって無機ガラスに変質させる過程で、元来石英ガラスが有している高強度性、耐熱性、高紫外線透過性を維持したまま室温下での接着を実用化する事であった。特筆すべき成果を以下に示す。 a)小型多機能光照射装置の開発:被接着材料同士をシリコーンオイルで挟み、接着層に均一に外圧をかけながら真空紫外光を照射する装置を試作した。この装置の特徴は接着部と外圧部を2部屋構造にし、接着層には低気圧の希釈酸化剤ガスを、加圧側には高気圧の窒素ガスを封入したことである。この装置によって接着した試料の接着層のZYGO干渉計による接着ひずみは殆ど無く、接着層の気泡も無くなった。 b)レーザーダメージテスト:石英ガラス同士の接着層に1〜80J/cm^2のYAGレーザー光(1.06μm,パルス幅10ns)を照射した。石英ガラス自身のレーザー耐性は70J/cm^2であったが、接着層の耐性は1/4以下の15J/cm^2であった。比較のために、石英ガラス表面にシリコーンオイルをコーティング(塗布)し、光酸化膜(膜厚100nm)を形成した。このときのレーザー耐性は72J/cm^2と石英ガラスと同等の耐力があることがわかった。この結果コーティングの場合は、シリコーンオイルに酸素が十分に供給され、光酸化が進むが、接着の場合はシリコーンオイルが被接着材料同士に挟まれるため、接着層のシリコーンオイルに酸素の供給が不十分となり、接着層のシリコーンオイル中に未反応のメチル基が存在するためと考える。この解決が次年度の課題である。
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Research Products
(5 results)