2009 Fiscal Year Annual Research Report
ナノパルスプラズマを利用したダイヤモンド膜の低温合成
Project/Area Number |
19360331
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
大竹 尚登 Tokyo Institute of Technology, 大学院・理工学研究科, 准教授 (40213756)
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Keywords | プラズマ加工 / ダイヤモンド / 薄膜 / トライボロジー / ナノパルス |
Research Abstract |
本研究は,ナノパルスプラズマを用いた化学気相成長法により低温度でダイヤモンド薄膜を合成する方法を開発することを目的としたものである.一昨年度の電源及び装置開発及び昨年度の研究成果を基に,メタン(CH4)からH2プラズマから低温でのダイヤモンド膜合成を試みた.その結果,-5kV程度の高出力ナノパルスを援用することにより,過去に前例のない,フィラメント温度1500℃にてダイヤモンドの合成に成功した.この時基板温度はおよそ400℃であった.また基板温度が低いことを確認するため,融点が660℃であるアルミニウム基板への合成を試み,これに成功した.この時基板の溶融は確認されなかった.さらに,プラズマの発光の時間変化を計測した.そして,フィラメントの低温化とともにパルス同士の相互作用が弱くなること,また低温合成においては結晶終端の水素引き抜き反応をより多く発生させる必要があり,原子状水素の生成量が結晶成長に大きな影響を与えていることを明らかにした.そして,従来のマイクロ秒オーダーのパルスとの比較を行うことにより,ナノパルスは短時間ではあるが非常に高密度なプラズマを発生させることができることから,原子状水素の大量生成に効果的であることを示し,以上の結果を基にナノパルス援用熱フィラメントCVD法によるダイヤモンド膜合成のモデルを提案して,ナノパルスは低温下でのダイヤモンド合成に極めて有効であるという知見を得た.
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Research Products
(2 results)