2007 Fiscal Year Annual Research Report
偏晶合金ハイブリッド粉末の組織制御と複合機能性発現
Project/Area Number |
19360338
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大沼 郁雄 Tohoku University, 大学院・工学研究科, 准教授 (20250714)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石田 清仁 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (20151368)
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Keywords | 状態図 / 熱力学デースベース / 液相2相分離 / CALPHAD / 粉末 / 電子材料 |
Research Abstract |
近年の電子実装分野では、導電性フィラーをペースト化したはんだ接合材料が普及しており、現在導電性フィラーにはAgナノ粉末が主に用いられている。本研究では、Ag量を低減させた高導電性フィラーへの応用を視野に入れ、安定な液相2相分離領域を有するAg-X(X=Ni,Fe,Co)系にCuを添加した合金のガスアトマイズ粉末の組織形態及び電気抵抗特性の調査を行った。主な結果は次の通りである。 (1)Ag-Cu-X(X=Ni,Fe,Co)3元系において、既存の熱力学データベース及び相平衡実験を基にCALPHAD法を用いて熱力学的解析を行い、熱力学パラメータを評価した。その結果、計算状態図により液相2相分離曲線を予測することが可能となった。 (2)融点における計算状態図を基に合金設計を行い、ガスアトマイズ粉末を作製したところ、合金組成に応じて、Cu-X-rich母相中に微細なAg-rich相が分散した微細分散型ハイブリッド粉末、Ag-rich相のシェル相がCu-X-rich相のコア相を覆う卵型構造ハイブリッド粉末及びAg-rich母相中に微細なCu-rich相が分散した微細分散型ハイブリッド粉末がそれぞれ得られた。これにより粉末組織と状態図の関係を明らかにすることが出来た。 (3)偏晶反応により得られた粉末のAg-rich相及びCu-rich相の各相は、タイライン上に非常に近い組成と対応する事が判明した。 (4)粉末粒子の電気抵抗特性は、圧粉焼結体を作製し、比抵抗を測定することで評価した。Ag量をおよそ25wt.%低減したAg-Cu-X(X=Ni,Fe,Co)焼結体において、純銀焼結体と同程度の比抵抗が得られた。これは、Ag量を低減させた導電性フィラーへの応用の可能性を示唆している。
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Research Products
(4 results)