2009 Fiscal Year Annual Research Report
偏晶合金ハイブリッド粉末の組織制御と複合機能性発現
Project/Area Number |
19360338
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大沼 郁雄 Tohoku University, 大学院・工学研究科, 准教授 (20250714)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石田 清仁 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (20151368)
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Keywords | 状態図 / 熱力学データベース / 液相2相分離 / CALPHAD / 粉末 / 電子材料 |
Research Abstract |
液相の2相分離を予測し,偏晶合金の組織制御を効率良く行うためには,CALPHAD (Calculation of Phase Diagrams)法に立脚した状態図計算のための熱力学データベースが重要である.本研究課題により昨年度までに構築したCu基合金の熱力学データベース(Cu-B-C-Cr-Fe-Ni-P-Si-Sn-Ti-Zn 11元系)と,本研究グループが以前構築したはんだ合金(Ag-Bi-Cu-In-Pb-Sn-Sb-Zn)の熱力学データベースを併用することより,液相の2相分離が精度良く予測でき,偏晶合金の合金設計が効率よく行える.前年度実施したAg-Cu-X (X=Ni, Co, Fe)3元系の偏晶合金ハイブリッド粉末の合金設計に基づいて,本年度はAg-Cu-X (X=Ni, Co, Fe)卵形粉末を作製して.焼結バルク材の比抵抗に及ぼす,粉末組織の影響を調査した. 液相の2相分離が予測される組成のAg-Cu-X (X=Ni, Co, Fe)合金を高周波溶解し,インゴットを作製した後,ガスアトマイズ法により粉末試料を作製した.その結果,球状粉末の外周部に導電性に優れたAg殻を有する卵型組織が得られた.この粉末を900℃で焼結してバルク材を作製し,比抵抗を測定することにより高導電性材料としての特性を評価した. 純銀焼結体と同程度の比抵抗が得られたAg-Cu-X (X=Ni, Co, Fe)合金の焼結合金のミクロ組織観察を行った結果,外殻部のAgリッチ相が焼結後に連続したネットワークを形成すると同時に,内核部のCu-X合金相がAgリッチ相とCu-X相に細分化され,新たにAgリッチ相のネットワークが形成されることが,比抵抗の低減に寄与することが判明した.
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Research Products
(3 results)