2007 Fiscal Year Annual Research Report
クロメート処理フリーの高耐食性合金めっきの開発-価数揺動による自己修復性の付与-
Project/Area Number |
19360340
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
平藤 哲司 Kyoto University, エネルギー科学研究科, 教授 (70208833)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
乾 晴行 京都大学, 工学研究科, 教授 (30213135)
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Keywords | 表面処理 / 合金電析 / 非水溶媒 / イオン液体 / アルミニウム合金 / 電気めっき |
Research Abstract |
新しい非水溶媒を用いるAl合金電気めっきと熱処理による微細組織制御により、Crに代わる自己修復性を発現させる元素(価数揺動元素)を含む合金皮膜形成による、環境に優しいクロメート処理フリーで、耐食性、犠牲防食性、自己修復性を具備する新しいめっき法の開発を目指す。平成19年度は、非水溶媒からの新しい合金めっき法として、イオン液体を用いる銅基板のCu-Sn合金化を検討するとともに非水溶媒を用いるAl合金電析について、Alの耐食性とZnの犠牲防食性を具備する可能性のあるAl-Zn合金について検討した。イオン液体を用いることにより、温度150℃付近の中温域での電解が可能であり、銅基板のCu-Sn合金化が可能であることが明らかとなった。非水溶媒としてジメチルスルホン-AlCl3-ZnCl2浴を用い、温度110℃、電流密度40〜100mA/cm2で電析することにより、Al-Zn合金の析出に成功した。得られた電析物の主成分はZnであるが、1〜8at%のAlの共析が認められた。X線回折によりZnの回折ピークは確認できたが、Alの回折ピークは認められなかった。Znの回折ピークは電流密度の増大とともに減少した。電流密度100mA/cm2の定電流電解で得られた電析物にはZnおよびAlの回折ピークがともに認められず、SEM画像でも明瞭な結晶は見られなかった。これは、電流密度の増大により、Znとともに金属Alが析出し、過飽和固溶体もしくは非晶質相を形成した物と考えられる。以上のことからジメチルスルホン浴を用いてAl-Zn合金の電析物を得られるが、これは従来の溶融めっき法により得られる合金とは異なる性質を持っていると考えられる。
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