2009 Fiscal Year Annual Research Report
クロメート処理フリーの高耐食性合金めっきの開発―価数揺動による自己修復性の付与―
Project/Area Number |
19360340
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
平藤 哲司 Kyoto University, エネルギー科学研究科, 教授 (70208833)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
乾 晴行 京都大学, 工学研究科, 教授 (30213135)
|
Keywords | 表面処理 / 合金電析 / 非水溶媒 / イオン液体 / アルミニウム合金 / 電気めっき |
Research Abstract |
新しい非水溶媒を用いるA1合金電気めっきと熱処理による微細組織制御により、Crに代わる自己修復性を発現させる元素(価数揺動元素)を含む合金皮膜形成による、環境に優しいクロメート処理フリーで、耐食性、犠牲防食性、自己修復性を具備する新しいめっき法の開発を目指した。平成19および20年度の研究により、非水溶媒としてジメチルスルホンーAIC13-ZnC12浴を用い、電流密度40~100mA/cm2での定電流電解により、A1-Zn合金の析出に成功した。得られた電析物の主成分はZnであるが、1~8at%のAlの共析量であった。またモル比DMSO2:ZnC12=10:0.3~10:1の浴に純Zn線を浸漬した参照電極に対し電位-1.OV~-2.OVで電解を行った結果、A1含有量1-90at%の幅広い組成の電析物が得られた。しかしながらA1-Zn合金は電析物の形態や組成の制御は困難でZnがデンドライト状析出2することが見出された。そこで本年度は析出物の平滑化と価数揺動性を持つ元素であるMnの添加を試みた。電解浴組成をモル比DMSO2:AIC13:ZnC12:MnC12=10:1.5:0.005~0.01:0.005としたところ、電流密度40~100mA/cm2で定電流電解することにより,平滑な電析物が得られた。電析物の組成はA1で80~90at%、Zn 4~15at%、Mn1~3at%であった。MnがA1に固溶して析出しており、結晶粒の微細化およびZnの単体析出を抑制する効果が認められた。
|