2007 Fiscal Year Annual Research Report
中低温イオン液体を用いた還元拡散法による電気化学的薄膜形成プロセス
Project/Area Number |
19360343
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
邑瀬 邦明 Kyoto University, 工学研究科, 准教授 (30283633)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉村 博之 京都大学, 工学研究科, 教授 (10293656)
粟倉 泰弘 京都大学, 工学研究科, 教授 (70109015)
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Keywords | イオン液体 / 室温溶融塩 / 常温溶融塩 / 還元拡散 / 電析 / 合金形成 / 薄膜 / めっき |
Research Abstract |
本研究は、疎水性イオン液体を溶媒とする浴を用いた還元拡散法による合金形成プロセスの開発を目的としている。本年度はまず、使用するイオン液体浴の熱的安定性を調べた。その結果、スズイオンを含むイオン液体TMHA-Tf_2NおよびEMI-Tf_2Nは、通常の熱重量分析に要する1〜2時間程度の時間スケールでは温度200〜300℃においても重量減少が見られないものの、前者および後者についてそれぞれ150℃および190℃で72 h連続使用した際には浴は分解し褐色着色が見られた。前者の浴は130℃では1ヶ月以上安定であった。 電位+1〜5 mV vs. Sn/Sn^<2+>において形成されたCu-Sn合金相はCu_6Sn_5金属間化合物を主体としていたが、+10〜40 mVではCu_3Sn相が主相であった。合金化電位と形成相の相関は、熱力学的に予測されるものと同じであった。イオン液体浴を使用し、プロセス温度を140〜170℃にすることで、水溶液系(90℃)に比べてCu-Sn合金の形成速度を3〜6倍にすることに成功した。イオン液体中でのスズイオンの拡散係数の温度依存性を調べ、その活性化エネルギーを見積もったところ、合金化反応の見かけの活性化エネルギーより小さかった。すなわち合金化の律速過程は固相でのCu原子とSn原子の相互拡散であることがわかった。 Cu-Zn合金の形成に関しては、定電位法の適用を目指し、金属Zn擬参照電極の電位安定性をまず調べた。その結果、金属Znの浸漬電位は長期安定性に乏しいとの結果となった。定電位法の適用に関しては今後の更なる検討が必要である。接触法によりCu-Zn合金の形成を試みたところ、金色を呈するCu-Zn合金相を一段階で得ることに成功した。しかし、得られる合金相(合金組成)は反応時間に依存しており、長い反応時間では灰色を呈するZnリッチな相となった。
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Research Products
(4 results)