2008 Fiscal Year Annual Research Report
中低温イオン液体を用いた還元拡散法による電気化学的薄膜形成プロセス
Project/Area Number |
19360343
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
邑瀬 邦明 Kyoto University, 工学研究科, 准教授 (30283633)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉村 博之 京都大学, 工学研究科, 教授 (10293656)
粟倉 泰弘 京都大学, 工学研究科, 教授 (70109015)
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Keywords | イオン液体 / 室温溶融塩 / 常温溶融塩 / 還元拡散 / 電析 / 合金形成 / 薄膜 / めっき |
Research Abstract |
・樹脂上へのCu-Sn合金形成・・・・樹脂表面に金めっきやクロムめっきを施す際の下地には、一般に無電解ニッケルめっきが用いられる。これをCu-Sn合金皮膜(スペキュラム皮膜)で代替する技術の開発を本年度の目的とした。使用する樹脂基板には、耐熱性に優れたガラスエポキシ基板を用いた。表面粗化されたエポキシ基板表面に、市販の無電解銅めっき液を用いて厚さ0.5μmの銅層を形成し、ついで還元拡散法によるCu-Sn合金化を行った。その結果、樹脂表面への密着性が良好で平滑な合金皮膜形成に成功した。この手法では、析出相(Cu_6Sn_5およびCu_3Sn)を合金化電位によって作り分けることができる。このこと利用し、両相の外観および耐食性の評価を行った。その結果、Cu_6Sn_5相の色合いは、ニッケルめっき代替として用いるのに適したニッケル様のものであったのに対し、Cu_3Sn相は青みがかった色合いであることがわかった。また、両相ともアノード分極時に容易に不動態を形成し、下地の保護皮膜として機能し得ることが示された。なお、基板の粗化法に関する系統的な研究、および得られたCu-Sn皮膜への金めっきおよびクロムめっき特性調査は、今後の課題として残された。 ・Cu-Zn合金形成・・・・定電位法によるCu-Zn合金形成を目指し、Zn^<2+>イオンを含むイオン液体中で長時間にわたって安定な電位をしめす擬参照電極を探索した。その結果、亜鉛塩にZnCl_2を使用した場合、金属亜鉛棒がきわめて安定な電位を示すことを見いだし、これを用いた定電位合金化により、1段階で銅皮膜を黄銅化できることを見いだした。再現性が今後の課題である。 ・その他の系への展開・・・・Ag-Sn系など、他の興味ある系への展開は、今後の課題として残された。
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Research Products
(3 results)