2008 Fiscal Year Annual Research Report
超臨界貧溶媒化を用いたメゾスコピック有機微結晶の製造法の開発
Project/Area Number |
19360347
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
猪股 宏 Tohoku University, 大学院・工学研究科, 教授 (10168479)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 善之 東北大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (50243598)
渡邉 賢 東北大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (40312607)
大田 昌樹 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教 (50455804)
|
Keywords | 結晶 / 超臨界 / 貧溶媒 |
Research Abstract |
本研究は、サイズが数十ナノ〜ミクロンの範囲のメゾスコピックな有機微粒子(微結晶)を、超臨界二酸化炭素(scCO2)を用いた手法により製造する際のモルフォロジー制御法の開発を目的としている。平成20年度は、昨年度に引き続きシャンプーの光沢付与剤として用いられるエチレングリゴールジステアレート(EGDS)を対象に、ASES法について実験条件(温度・圧力・溶液流量・溶液濃度)と生成結晶形状との相関関係を定量化するとともに、結晶生成メカニズムおよび形状制御性について考察した。また、対象をフラーレン(C60)として、トルエン溶液のGAS法により粒子径制御の可能性について検討した。 実験結果は、重量法による収率、レーザー顕微鏡による平均結晶径(=長径)、アスペクト比(=長径/厚さ)および表面粗さにより評価した。その結果、混合系の臨界庄以下(50℃、8MPa)および臨界圧近傍(40℃、8MPa)で、アスペクト比が小さく、表面粗さの大きい結晶が生成した。また、臨界圧以上の結果を比較すると高温・高圧でアスペクト比が大きく、表面粗さが小さかった。低溶液流量でアスペクト比が大きく、表面粗さが小さくなる挙動が見られた。さらに、溶液流量以外の操作因子の影響もあるが溶液流量を小さくすることで高収率となる傾向が見られた。また、EGDS総量が等しい条件では、高溶液濃度で結晶径が小さかったが、EGDSの導入量を増加することで結晶径およびアスペクト比がともに大きくなった。フラーレンについては、は、粒径5〜10μm程度の不揃いな粉末原料C_<60>が、GAS法(40℃,15MPa)で晶析を行うと八面体状で粒径の揃った粒子となった。初期加圧速度が大きいほど粒径が小さくなり、加圧速度が同じ場合は溶液が低濃度ほど小さい粒子が生成し、高温・試料溶液量が多い}まど大きい粒子が生成した。
|