2007 Fiscal Year Annual Research Report
廃電子部品中の貴金属・白金族回収のためのゲル/液抽出プロセスの構築
Project/Area Number |
19360350
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
中野 義夫 Tokyo Institute of Technology, 大学院・総合理工学研究科, 教授 (30092563)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣川 能嗣 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 連携教授 (60436722)
森貞 真太郎 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助教 (60401569)
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Keywords | ゲルテクノロジー / ゲル / 液抽出 / 貴金属 / 白金族 / レアメタル / 分離 |
Research Abstract |
使用済み電子部品あるいは廃触媒中に多量に含まれている白金(Pt)、パラジウム(Pd)を強塩酸水溶液中から選択的に分離・回収するためのタンニンゲル/液抽出プロセスを構築するとともにその性能評価を行い、下記に示す成果を上げることができた。 1、強塩酸条件下では、Pd(II)は塩化物錯体として存在していることから、塩素に比べてよりソフトな配位子であるBr-を導入することでPd(II)のタンニンゲルへの吸着能が飛躍的に向上することを明らかにした。次いで、この吸着速度の向上はTrans-effect(Br-の導入により、Trans位置の塩素が脱離しやすくなる効果)に基づくことを示した。 2、Pd(II)、Pt(IV)に対して親和性の高いソフトな配位子として、 SCN-を選択し、このSCN-をタンニンゲル分子鎖に導入することを試みている。SCN-はタンニンゲル分子鎖中のプロトン化された-OH_2^+と静電的相互作用を介して固定されることを確認した。Pd(II)、Pt(II)塩化物錯体はタンニンゲル分子鎖中に固定されているSCN-と配位子置換反応を起すことで、1〜5Mと極めて高濃度の塩酸溶液中においてもPd(II)およびPt(IV)はタンニンゲル吸着することを明らかにした。さらに、タンニン分子鎖は塩素等のハロゲン系に対して高い耐久性を示すことを実証することができた。 3、Pt(IV)塩化物錯体のSCN-との配位子置換反応はPd(II)塩化物錯体に比べて光感性が顕著であることを発見するに至り、この現象を利用すると、Pt(IV)とPd(II)の選択的分離を行うことが可能であることが明らかとなった。
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