2008 Fiscal Year Annual Research Report
廃電子部品中の貴金属・白金族回収のためのゲル/液抽出プロセスの構築
Project/Area Number |
19360350
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
中野 義夫 Tokyo Institute of Technology, 大学院・総合理工学研究科(研究院), 教授 (30092563)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣川 能嗣 滋賀県立大学, 工学部・材料科学科, 教授 (60436722)
森貞 真太郎 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助教 (60401569)
金 演鎬 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 研究員
|
Keywords | ゲルテクノロジー / ゲル / 液抽出 / 貴金属 / 白金属 / レアメタル / 分離 |
Research Abstract |
タンニンゲル分子鎖にsoft-ligand〔ソフトな配位子: SCN(チオシアン酸), NH_2(アミン基), Br^-(ブロム酸),等〕を導入する方法を新規に開発した。これらソフト配位子とPd(II)およびPt(IV)の配位子置換反応により形成される錯体の安定性の違いを利用することで、_Pd(II)とPt(IV)混合溶液から両元素を完全分離・回収することに成功した。 SCN^-導入タンニンゲル(SCN-TG)は水素イオン濃度が0.1M以上(≦5M)と高い濃度域において、一方のNH_2導入タンニンゲル(ATG)は水素イオン濃度が0.1M以下の低濃度域において、Pd(II)、Pt(IV)の吸着能が向上することを明らかにした。その結果、SCN-TGとATGの修飾タンニンゲルを分離剤とすることで、広範囲の酸濃度に対して、Pd(II)およびPt(IV)の分離を達成することが可能となった。さらに、太陽光を照射すると、Pt(IV)のみの錯体形成能が大きく向上することを見い出した。 上記回分系の結果を基に、Pd(II)およびPt(IV)を連続系で分離・回収するカラム分離プロセスを提案した。(1)高酸濃度のPd(II)とPt(IV)混合系ではSCN-TGを充てんしたカラムに混合液を通液することで、Pd(II)とPd(IV)を逐次分離・回収できることを示した。(2)低酸濃度のPd(II)とPd(IV)の混合系では、ATGを充てんしたカラムに混合液を通液することで、吸着能の高いPd(II)がカラム内に蓄積、吸着能の低いPd(IV)がカラム外に流出する。このPt(IV)のみを含む流出液を光照射型カラムに導入することで、Pt(IV)は濃縮,酸で溶離・回収できる。一方、カラム中に濃縮しているPd(II)は、酸で溶離・回収する。 以上、回分系および連続系で得られた知見を基に、タンニンゲル/液抽出プロセスの基本設計指針を示すとともに、現在、可動中の実プロセスへ本プロセスを導入あるいはプロセス変更の要件を示した。
|