2007 Fiscal Year Annual Research Report
難反応の高効率化のためのモルデナイトのナノ結晶活用構造体触媒反応器の開発
Project/Area Number |
19360356
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
増田 隆夫 Hokkaido University, 大学院・工学研究科, 教授 (20165715)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
多湖 輝興 北海道大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (20304743)
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Keywords | ナノサイズゼオライト / モルデナイト / 界面活性剤 / 構造体触媒 / 構造性活性点 / ジメチルナフタレン / 分子篩 |
Research Abstract |
研究者らが考案した水/界面活性剤/有機溶媒を活用してゼオライト合成法によりモルデナイトのナノクリスタルを開発する。これを用いて構造体触媒反応器を作成し、PEN(ポリエチレンナフタレート)原料である2,6-ジメチルナフタレン(2、6-DMN)をナフタレンとメタノールから選択的に合成する。 本年度はモルデナイトのナノクリスタル積層触媒膜の設計指針を得るために、モルデナイトのナノクリスタルの合成法の開発、活性点である酸点分布と酸点量の制御を検討した。SiとAl源を含む母液水溶液を界面活性剤/有機溶媒溶液に滴下し、マイクロエマルション状態を形成させた。そして150℃の水熱条件下でモルデナイトの合成を実施した。母液水溶液のみではモルデナイトが合成できない条件であっても、界面活性剤が合成溶液に共存する場合、モルデナイトの合成が可能であった。これは、ゼオライト前駆体の安定性が向上するためである。また、界面活性剤濃度により、ゼオライト核生成を制御できることが明らかとなった。そして、酸量がほぼ同程度であるが、結晶サイズが約50ナノメートル〜500ナノメートルの範囲で制御されたモルデナイトの合成に成功した。さらに、ゼオライト前駆体の安定化効果を利用することにより、モルデナイトに含まれるアルミニウム量Si/Alを12〜30の範囲で制御することができた。 同法で合成したナノサイズモルデナイト(結晶サイズ50ナノメートル)と通常の水熱合成法で調製したマイクロサイズモルデナイト(結晶サイズ2マイクロメートル)を用いた2,6-DMNの合成反応を実施した。ナノサイズモルデナイトでは、2,6-DMNの高選択率合成、および触媒の活性劣化の抑制が可能であることが明らかとなった。
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