2008 Fiscal Year Annual Research Report
反応場制御型ソノリアクターのスケールアップと最適化
Project/Area Number |
19360359
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
香田 忍 Nagoya University, 大学院・工学研究科, 教授 (10126857)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松岡 辰郎 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (60252269)
小島 義弘 名古屋大学, エコトピア科学研究所, 准教授 (80345933)
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Keywords | 化学工学 / 超音波 / ソノプロセス / スケールアップ / 反応場制御 / 周波数特性 / LDV / 水質浄化 |
Research Abstract |
本研究は,超音波反応場を最適化した大型ソノリアクターの設計指針と操作条件を明らかにすることを目的とする。本年度は大型ソノリアクター内の反応場制御法の確立,反応場制御因子の解明を目指し,小型円筒型ソノリアクター,および20L級の直方体型ソノリアクターを用いて実験的検討を行った。得られた主な知見をまとめると以下のとおりである。 (1)振動子のインピーダンスをモニターし,振動子のインピーダンスが常に極小になるように周波数を自動的に変化させる自動周波数制御システムを開発し,周波数一定で操作した場合の結果と比較した。試料の液高さを変化させて周波数一定のもと実験を行った場合,液高さに対してソノケミカル効率(単位消費エネルギー当たりの反応率)の最大値と最小値の比は12と大きかった。一方,同じ液高さ範囲内で自動周波数制御を行うことでその比は2に減少し,さらにすべての液高さで周波数一定の場合より大きなソノケミカル効率を示した。振動子のインピーダンスを極小にする自動周波数制御方法は,ソノケミカル効率を上げるために有効であることが示唆された。 (2)LDVを用いて,液高さ10cm,駆動電力10,30,50Wでのソノリアクター内の流れ場の流速測定した結果,霧化の発生の有無により,壁面付近の流れに違いがあることがわかった。中心軸上では駆動電力によらず上向きの速い流れ(0.5-2cm/s)が観測されたが,壁面付近では,10Wではランダムな遅い流れ(0.1-0.2cm/s),30,50Wではある程度速い速度(0.2-1cm/s)で,一定方向の循環流が形成されていることが確認された。超音波場を大きく乱さないように液の強制撹拌を行った結果、流れ場の変化とともに、適当な実験条件下でソノケミカル効率が約2倍程度増加した。以上より、超音波場と流れ場の制御によりソノケミカル効率を向上できることが明らかとなった。
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Research Products
(11 results)