2007 Fiscal Year Annual Research Report
微量で顕著な添加効果を示す貴金属修飾触媒の微細構造解析
Project/Area Number |
19360363
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
冨重 圭一 University of Tsukuba, 大学院・数理物質科学研究科, 准教授 (50262051)
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Keywords | メタン / 改質 / バイメタル / タール / バイオマス / 合金 / EXAFS / QXAFS |
Research Abstract |
メタンの酸化リフォーミング反応やバイオマスの熱分解タールの水蒸気改質反応において、微量の貴金属で表面修飾した金属触媒の触媒特性(活性、選択性、安定性)が顕著に促進を受けることをこれまで明らかにしてきた。一方で、添加された貴金属の濃度が極めて低いため、それらのキャラクタリゼーション、特に貴金属の局所構造を解析することは容易ではない。本研究は、広域X線吸収端微細構造(EXAFS)により微量貴金属の局所構造解析及び化学状態分析等を行うことを目的とする。特に、貴金属の微量での表面修飾においては、調製法が構造に大きな影響を与える可能性が大きいため、調整法を変えた場合の構造及び触媒特性がどのように異なるかについて着目した。メタンの酸化リフォーミング反応に有効なPd-Ni系触媒については、QXAFS法を用いることにより、還元処理過程の微粒子成長に関する研究を行い、高性能な逐次含浸触媒においてはPd-Ni結合の出現がおきにくく、そのため表面にPd原子が偏在した微粒子が形成されることを明らかにした。一方、共含浸法で調製したバイメタル微粒子においてはPd原子が主に粒子内部に存在しやすく、微量では顕著な添加効果を示すことができないことも明らかにした。さらに、バイオマスタールの水蒸気改質反応に有効なNi/CeO_2/Al_2O_3触媒を貴金属で表面修飾した場合、Ptが他の貴金属と比較して顕著な添加効果を示すが、Pt L_3-edge EXAFS解析から、Pt-Ni結合が明確に観測され、表面合金が形成されていることを明らかにした。
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