2008 Fiscal Year Annual Research Report
微量で顕著な添加効果を示す貴金属修飾触媒の微細構造解析
Project/Area Number |
19360363
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
冨重 圭一 University of Tsukuba, 大学院・数理物質科学研究科, 准教授 (50262051)
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Keywords | 貴金属 / ニッケル / 表面修飾 / メタン / バイオマス / 合金 |
Research Abstract |
メタンの酸化リフォーミング反応やバイオマスの熱分解タールの水蒸気改質反応において、微量の貴金属で表面修飾したM触媒において、その触媒特性(活性、選択性、安定性)が顕著に促進を受けることを本研究代表者は明らかにしてきた。一方で、添加された貴金属の濃度が極めて低いため、それらのキャラクタリゼーション、特に貴金属の局所構造を解析することは容易ではない。本研究は、EXAFS(広域X線吸収端微細構造)及びXANES法により微量貴金属の局所構造解析及び化学状態分析等を行うことを目的とする。ここでは特に添加した貴金属に対して大量のNiが共存する触媒を観察対象とする。本研究は、微量の貴金属で表面修飾されたNi系触媒において、貴金属周りの局所構造解析を行うと同時に触媒への添加効果との相関を明らかにすることを目的としている。Pt/Ni/CeO2/Al2O3触媒は、木質系バイオマス(具体的には杉粉)の熱分解タールの水蒸気改質反応に有効であり、高いガス生成速度(CO+H2+CH4)及び低いタール+コーク収率を与える触媒であることを見出してきたが、長時間反応の結果、Ni金属微粒子の凝集による活性劣化が顕著に観測されることを明らかにした。これに対して、MgOを導入することによりNiの分散性を向上すると同時に、凝集に対する耐性をもった触媒の開発を行った。さらに、析出炭素の燃焼除去+再還元処理による触媒の構造変化の可逆性についても検討した。また、メタンの酸化的水蒸気改質反応用触媒については、さまざまな貴金属で表面修飾したNi触媒のうち、微量Pdによる表面修飾がホットスポット生成抑制に対して有効であることを見出し、このとき、PdクラスターがNi金属微粒子表面上に形成していることを明らかにした。
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Research Products
(10 results)