2008 Fiscal Year Annual Research Report
ミスト熱分解法によるシリコンマイクロチャンネルへのナノ構造体触媒の構築
Project/Area Number |
19360364
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
田川 智彦 Nagoya University, 大学院・工学研究科, 教授 (10171571)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 博史 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助教 (70293644)
|
Keywords | マイクロリアクター / 触媒調製 / 顕微赤外分光法 / 質量分析法 / シリコンマイクロチャンネル / 表面吸着種 / ミスト熱分解法 / 触媒用in situ赤外分光セル |
Research Abstract |
シリコン基板上にフォトリソグラフィーの手法によりマイクロチャンネルを調製し、チャンネル壁表面にゾルゲル法によりアルミナ担体を坦持し、さらにこれに独自手法である「ミスト熱分解法」により、白金触媒を坦持した。この触媒の動的特性を調べるため、顕微鏡で視野を特定できる顕微ユニットを備えた赤外分光光度計にマイクロリアクターを設置し、これに質量分析装置を購入してキャピラリーを介して接続した。これにより、マイクロチャンネルリアクターに坦持した触媒の顕微赤外による分光法によるin situ観察が初めて可能となった。昨年度反応ガスとしてプロピレンを供給し、温度を上げ、条件を整えることで、π-アリル種と思われる表面吸着種の生成が示唆される結果を得た。これを受けて、反応物をプロパンに変更して反応を行いつつ、顕微鏡観察条件を整えたところ、プロピレンの場合と同様に、π-アリル種と孤立表面水酸基と思われる吸着種を確認できた。このとき、精度は低いものの質量分析装置にて水素の生成を検出できた。このことは、π-アリル種を経由して脱水素反応が進行していることを示唆するものである。さらに、これらの吸着種の動的特性を、反応物の供給を停止しその後の時間経過を観察する過渡応答法によって検討した。不活性ガス共存下と酸素共存下では吸着種の挙動が異なり、酸化条件では、π-アリル種、表面水酸基ともに吸着種が時間を追って減少する様子を観察することに成功した。また、こうした知見を、液相触媒反応系に応用する検討も着手した。
|
Research Products
(4 results)