2008 Fiscal Year Annual Research Report
高活性シフト触媒と中温作動プロトン伝導体による新規水素製造-分離法の検討
Project/Area Number |
19360366
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
江口 浩一 Kyoto University, 工学研究科, 教授 (00168775)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松井 敏明 京都大学, 工学研究科, 講師 (90378802)
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Keywords | 水素ポンプ / 中温作動 / COシフト反応 / 無機酸素酸塩 / 水素製造 |
Research Abstract |
昨年度、200℃においてCsH_2PO_4/SiP_2O_7複合体電解質を使用したセルについて、アノードに加湿COを直接供給した場合、カソードでH_2が生成することを確認した。本年度はこの条件におけるアノード反応について検討した。電極に使用したPt触媒は200℃において水性ガスシフト反応に対して不活性であることが知られており、実際に開回路状態ではアノードにおいてH_2の生成はほとんど確認されなかった。また通電中、アノードでは電気化学的に促進された水性ガスシフト反応と水の電気分解が起こる可能性が考えられる。そこで通電中のアノード反応を特定するために、アノードで生成するCO_2量をガスクロにより測定した。その結果、ファラデー則に従った水性ガスシフト反応により生成が予想されるCO_2量と比較して、実測されたCO_2生成量は非常に近い値を示した。以上の結果より、水性ガスシフト反応がアノード上で電気化学的に促進され、H_2の生成・分離が行われたことが明らかとなった。次に、この条件におけるアノード反応過電圧について評価した。加湿H_2を反応ガスとした場合と比較して、加湿COを供給すると2桁以上高い過電圧を示した。そこでアノードのPt担持量の増加により過電圧の低減を試みた。その結果、過電圧は低減したが、大幅な改善には至らなかった。またPt担持量によらず、電流密度の対数に対する過電圧の傾きは変化せず、反応機構が同じであることが示唆された。以上の結果より、Pt触媒のみでは電気化学的に加湿COからH_2の生成・分離を行うことが困難であるため、今後、水性ガスシフト反応に対して活性を有する触媒を利用して、一連の過程を容易に実施できるシステムの提案を目指す。
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