2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19360368
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
松方 正彦 Waseda University, 理工学術院, 教授 (00219411)
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Keywords | 膜分離 / 省資源・省エネルギー技術 / ゼオライト / ガス分離 |
Research Abstract |
膜による革新的反応分離システムに必要な膜の機能の殆どは,脱水および脱アルコールである。昨年度は緻密なゼオライト膜を用いることで,100-300oCの高温でも機能する新規な脱水,脱メタノール膜を報告してきた。しかし透過分離性能の向上にはその支配因子を明らかにする必要があるため,平成20年度は透過分離機構の解明を目指した。 ゼオライト膜を用いた脱水および脱メタノールの分離特性の発現機構としては、交換カチオンに配位した分子の細孔内濃度が高くなり,ゼオライトのミクロ孔が塞がって、他の分子の進入を阻害する可能性が考えられる。これを踏まえ,イオン交換サイトに存在するカチオン種や量を変えた系で水・アルコールの吸着・透過試験を行い,ゼオライト膜内のカチオンが極性分子の吸着量・透過能に与える影響について検討した。 Na型ZSM-5ゼオライト膜をH型にイオン交換すると,水の透過速度が減少し,水素の透過速度が上昇する結果となった。水吸着試験の結果から, Na型よりもH型のほうが水吸着量は少なく,そのためH型のZSM-5膜ではZSM-5細孔内への水の吸着量が減少し,水素の透過の抑制効果が小さくなることが示された。高温ほどNa型とH型の差が顕著であり, Na型では250℃の高温でも水/水素分離性能を保持したのに対し, H型では水/水素分離性能を示さなかった。これらの結果から, ZSM-5細孔内のNaカチオンは水の吸着と密接に関係しており,膜の透過分離性能に大きく寄与することが立証できた。本研究成果を報告した論文(Reverse-selective microporous membrane for gas separation)は, Chemistry-Asian Journal誌のVery Important Paperに選定されるなど,国際的にも高い評価を得た。
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Research Products
(20 results)
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[Presentation] 澤村健一, 大小原慎太郎, 古畑泰介, 関根泰, 菊地英一, 松方正彦, ZSM-5膜による水/酢酸蒸気分離膜の開発2009
Author(s)
澤村健一, 大小原慎太郎, 古畑泰介, 関根泰, 菊地英一, 松方正彦
Organizer
第9回グリーン・サステイナブル ケミストリーシンポジウム
Place of Presentation
東京
Year and Date
2009-03-09
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