2007 Fiscal Year Annual Research Report
細胞情報センシングのための電気化学マイクロデバイスの構築
Project/Area Number |
19360369
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
鈴木 博章 University of Tsukuba, 大学院・数理物質科学研究科, 教授 (20282337)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福田 淳二 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 講師 (80431675)
芳賀 信 東京理科大学, 薬学部, 教授 (70110666)
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Keywords | 電気化学分析 / 微細加工技術 / フォトリソグラフィ / 細胞チップ / アンモニアセンサ / 肝臓 |
Research Abstract |
近年、未分化な細胞から分化誘導した細胞を、臓器や組織の治療に用いる再生医療が注目されている。この技術を確立するには、非常に高価な成長因子を用いてその濃度・組み合わせ・添加のタイミングを検討し、分化誘導条件を確立する必要がある。そこで、電気化学的原理を利用した送液機構を集積化し、極微量の培養液中で極少数の細胞の培養から測定までの一連の作業をチップ上で行う機能計測システムを構築した。作製したチップは、送液・センシング用の電極群を形成したガラス基板、培養チャンバ・流路を形成したPDMS基板から構成される。ラットから調製した初代肝細胞を11cells/mlの密度でチップ上の培養チャンバに播種した。次に、培養チャンバ内に1mMとなるように塩化アンモニウムを添加し、エレクトロウェッティングを利用して逐次的にnlスケールの培地をサンプリングするとともに、センシング部にこれを輸送し、集積化アンモニアガス電極により、培地のアンモニア濃度を測定した。この操作を繰り返すことで、細胞のアンモニア代謝機能をモニタリングし、従来のmlスケールの培養および市販キットでの測定と比較して、1万分の1以下のスケールで同等の細胞機能評価が可能であることを示した。この技術では、従来の測定法と異なり、煩雑な前処理を必要とせず、電位操作のみで測定が迅速に行えるため、高い時間分解能で自動的な測定も可能となる。一方、細胞微小環境(ニッチ)を制御した細胞アレイ技術として、フォトリソグラフィ、キャピラリーフォースリソグラフィ、マイクロコンタクトプリンティングを用いて、コラーゲン、フィブロネクチン、ヒアルロン酸などの細胞外マトリックスを静電的性質によりマイクロパターンし、かつ、それぞれの細胞外マトリックス上に肝細胞や繊維芽細胞、胚性幹細胞を選択的にマイクロアレイするニッチ制御技術を確立した。
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Research Products
(15 results)