2008 Fiscal Year Annual Research Report
細胞情報センシングのための電気化学マイクロデバイスの構築
Project/Area Number |
19360369
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
鈴本 博章 University of Tsukuba, 大学院・数理物質科学研究科, 教授 (20282337)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福田 淳二 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 講師 (80431675)
芳賀 信 東京理科大学, 薬学部, 教授 (70110666)
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Keywords | 細胞 / プラグ / 活性酸素 / マイクロフルーイデフィックス / マイクロポンプ / マイクロバルブ |
Research Abstract |
複数種類の薬剤の組み合わせを変え細胞の応答を調べるために、細胞の培養、試薬の調製・添加、分析をプラグ型送液機構によってオンチップで行い、必要サンプル量、試薬量を極限まで低減したマイクロシステムを構築した。本システムは、T字に分岐した流路によって、プラグの計量、分割、混合、入れ替えといった操作を可能にしており、一枚のチップ上で細胞の培養と分析を実現する。従来の典型的な培養プレートでは1条件あたり100〜200μLの試薬量を必要としたが、本チップでは試薬消費量を120nLに低減した。そして、抗がん剤であるマイトマイシンC、フルオロウラシルの薬効をヒト肝癌細胞HepG2を用いて評価し、従来の培養ディッシュと同じ結果がチップ上で再現できることを示した。さらに、この超微量溶液操作を利用して、培養細胞のグルコース代謝量をオンチップで計測することにも成功した。 一方、酵素SODを分子認識素子とした活性酸素検出用バイオセンサを構築した。測定用バイオセンサは基本的な三電極系を形成したマイクロデバイスで、作用極上にSODを固定し、白血球が産生する02-とSODとの反応の際の電子授受を電流値として検出するものである。実際に、酪農家の協力により、乳牛の生乳サンプルを用いて乳房炎の早期診断に利用し、潜在性乳房炎をオンサイトで予測するチップデバイスとして利用できる可能性を示した。 この他、関係するシステムで使用可能な化学的マイクロポンプ、pH応答性マイクロバルブなども新たに開発した。
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Research Products
(14 results)