2007 Fiscal Year Annual Research Report
ES細胞を細胞源とした肝移植代替治療としてのハイブリッド型人工肝臓の開発
Project/Area Number |
19360375
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
水本 博 Kyushu University, 大学院・工学研究院, 准教授 (90346817)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梶原 稔尚 九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (10194747)
井嶋 博之 九州大学, 大学院・工学研究院, 准教授 (10274515)
中澤 浩二 北九州市立大学, 国際環境工学部, 准教授 (00304733)
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Keywords | ハイブリッド型人工肝臓 / 胚性幹細胞 / 肝細胞 / 分化誘導 / 再生医療 / オルガノイド |
Research Abstract |
1.独自の培養法である中空糸/オルガノイド培養法によるES細胞から肝細胞への分化誘導に関し、種々の分化誘導因子の添加と、肝特異的な遺伝子発現、機能発現との関連に関して検討を行った。その結果、培養9日目より酪酸ナトリウムを添加することによってalbumin、Carbamoyl phosphate synthetase1等の肝特異的遺伝子の発現レベルの増加と肝特異的機能であるアンモニア除去能、アルブミン分泌能の発現が示された。さらに、分化誘導された細胞の成熟化を目的として、Dexamethasone、Oncostatin M等の因子の添加について検討を行った結果、成熟肝マーカーであるTryptophan-2,3-dioxygenaseの遺伝子発現レベルの増加や、アンモニア除去能の維持が示された。さらに、培養初期段階での内胚葉分化促進のための条件について検討中である。 2.独自に開発したPUF型人工肝臓装置にES細胞を固定化し、肝細胞への分化誘導を行った。その結果、培養2週間目以降にアンモニア除去能の発現が示され、装置容積あたりの機能は初代肝細胞と同程度を達成できることを確認した。また、中空糸型人工肝臓装置として、編織した中空糸を積層させることにより空間内での中空糸の規則配置を実現できる新規人工肝臓装置を開発した。さらに、本装置の中空糸内部にES細胞を固定化し、肝細胞への分化誘導について現在検討中である。 3.ES細胞の分化誘導過程における肝細胞を選別するマーカーとして、膜表面タンパク質であるDlk0に着目し、分化誘導過程でのDlkの発現に関して検討を行った。その結果、Dlk発現細胞は培養5日目より培養系の数%の割合で出現することが示された。現在Dlk陽性細胞を磁気細胞分離法によって分離し、その特性を評価中である。
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Research Products
(22 results)