2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19360377
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
土居 信英 Keio University, 理工学部, 講師 (50327673)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳川 弘志 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (40327672)
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Keywords | 一本鎖抗体 / Fab抗体 / 試験管内選択 / DNAディスプレイ法 / RNAディスプレイ法 / ライブラリー / 抗体医薬 / 進化 |
Research Abstract |
抗原に対する高い特異性と親和性を示すモノクローナル抗体は、診断薬・治療薬への応用のみならず、分子細胞生物学の基礎研究における利用など、その応用範囲は極めて広い。しかし、現在主流の抗体作製法である細胞融合法は手間と時間がかかる上に、抗原を実験動物に注射して免疫感作するので、自己抗体や抗毒素抗体、膜タンパク質に対する抗体など、抗体作製が困難な場合もある。そこで、本研究では、申請者らが独自に開発した試験管内選択法であるIVV法およびSTABLE法を用いて、従来法では作製が困難であった抗原に対する新機能モノクローナル抗体を、迅速かつ簡便に作製できる実験系を確立することを目的とした。具体的には、(1)組み換え抗体の大規模な対応づけ分子ライブラリーを構築し、その中から、(2)ビーズに固定した抗原に特異的に結合する抗体を試験管内選択により選択し、さらに、(3)試験管内進化により抗体の特異性・親和性・安定性を向上させ、(4)得られた抗体の大量調製および特性評価を行い、必要に応じて、(5)組み換え抗体から完全抗体への変換を行う、という手順で研究を行った。初年度は、(1)のライブラリー構築および、(2)の試験管内選択実験を行った。まず、無細胞タンパク質合成系で高発現するヒト抗体フレームワークを選び、合成オリゴDNAを用いて、抗原と相互作用する相補性決定領域(CDR)にランダムなアミノ酸配列を導入した多様性の大きい一本鎖抗体ライブラリーを構築した。このときランダム配列のアミノ酸頻度や長さについては、天然の抗体のCDRのデータを参考にした。この抗体ライブラリーの中から、IVV法を用いて、複数のタンパク質抗原に対して、それぞれ特異的に結合する一本鎖抗体を得ることができた。また、STABLE法を用いることにより、一本鎖抗体だけではなく、二本鎖のFab抗体の試験管内選択に初めて成功した。
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Research Products
(4 results)